治療症例紹介・コラム

Colum 【質の良い睡眠をとるために】





前回「良く眠れるようになるための食事」について記載しました
腰痛と不眠に関する報告はされており、不眠により腰痛の悪化や発症リスクが上がることは分かっています。
反対に腰痛により不眠になることはまだ報告されていません。ですが、睡眠の質や睡眠時間が減れば確実に、代謝に費やす時間(修復する力)や免疫力は低下します。

機械が休まずに動き続けていると劣化が早いのと同じで、人間も休む時は休んで、しっかり栄養を摂らないと身体は劣化していきます。
修復する力が減るということは、日々ストレスを受けている椎間板や筋肉を修復させる力や時間が減ると考えてください。
結果、睡眠不足や質の悪い睡眠は、椎間板の劣化や筋肉の緊張につながる可能性が高いです。

そこで、今回は睡眠の質をよくするために、ついつい行ってしまっている悪い生活習慣とその対策のまとめになります。


~ 悪い生活習慣 ~
〇コンビニやお弁当中心の食事
 脂質や炭水化物、砂糖、塩分過多になるため、血管系の疾患になりゃすいです

〇寝る直前に食べる
 睡眠中は主に代謝(体の細胞などの入れ替え・修復)のために、身体は働いています。実際に動いていませんが内部や脳は処理を行ったり、回復させたりと大忙しです。
 そんな忙しいところに、食事まで入ってきたらパニックになります。回復は後回しで食べ物の消化を優先的に動くように身体はできているので、当然細胞の修復は遅れます。
 筋肉や軟骨はミクロの世界では細胞で構成されており、睡眠中に活発的に修復作業が入ります。
 つまり痛めた身体が少ししか回復できないということです。

〇寝る前のカフェインの摂取
 カフェインの効果は個人差はありますが6~8時間続きます。
 22時に寝ようと思ったら、14時~16時以降コーヒーを飲むと眠りにくくなる可能性があるということですね。

◯熱いお風呂に入る
 41°以上のお湯は交感神経を優位にし、寝つきを悪くする可能性があります。

〇夏はシャワーのみ
 夏は暑いので入りたくないという方も多くいますが、シャワーのみだと眠りが浅くなっています。38°だと熱さも感じにくいのでぜひ一度試してみてください

〇寝る前に携帯を触る
 やっと自分だけの時間だと思い、寝る前にスマホを見ている人は多いと思います。スマホのブルーライトは脳を覚醒させるため、睡眠の質が低下してしまいます。
 携帯をついつい長く見てしまった翌日の朝に、身体がだるいのはこれが影響しています
 スマートフォンの機種によってはブルーライトを抑えられるものもありますが、SNSやメッセージの通知は脳を覚醒させる強い作用があります。
 寝る直前まで見るのは避けることをおすすめします。

〇アルコールの摂取
 お酒を飲むと気持ちよい気分で寝られるので、寝る前のお酒が習慣化している人も多いと思います。
 アルコールへの分解能力は体質には個人差がありますが、アルコールに強い人でも良質の睡眠をとるためには就寝前の飲酒はおすすめはできません。
 アルコールに強い人であれば絶対にダメとは言い切れませんが、アルコールには「利尿作用」「覚醒作用」があるため、睡眠の質を低下させてしまいます。
 お酒を飲むと眠たくなりますが、就寝中に排泄のために途中で起きたり、無意識の覚醒が起こったりするため、深い睡眠が十分にとれず、結果的に睡眠の質は低下してしまいます。



~ 対策(まとめ) ~

《 食事 》
・バランスよく食べる
 ごはん、みそ汁をベースにメインを1品(プレート皿おすすめ)
・作るのが苦手、時間がない方
 例)パックごはん(発芽玄米)、インスタントみそ汁、サラダチキンプレーン(汁捨てる)、5種類以上入っている野菜サラダ(ドレッシングはゴマ)
 これならコンビニやスーパーで揃います。毎日はおすすめしません。
 *高血圧の方はコンビニ食品は控えた方がお身体に影響を与えにくいです
・お弁当や外食などに多い方は1週間の食事の中で帳尻を合わせましょう
・カフェインの摂取を15時以降は控える
・寝る3時間前の食事は避ける
・お酒を飲む際は水も一緒に飲みましょう。目安はお酒と同量の水の摂取
・腸内環境を整える

《 その他 》
・お風呂の温度は38°~40°に設定し、寝る2時間前に入りましょう
・夏でもお風呂に入る癖をつける。
・スマートフォンは寝室に持ち込まない
・朝散歩を行う
・起床後30分以内に日光を浴びる
・眠る時に電気を消す(明るい電気で寝ない)
・ベッドか布団で寝る
・寝具に違和感がある場合は専門店に行って自分に合う寝具を提案してもらう
・リズム運動がおすすめ(ウォーキングはおすすめだが、喋りながら息が切れない程度のスピード)
・昼寝・仮眠の時間は15分前後、長くても30分がおすすめ


ぜひ、これを機にご自身の身体を労わってあげてください。長く健康に体を動かすためには睡眠と食事は欠かせません。
今からでも十分間に合います。今日から良い睡眠を目指していきませんか。


ILC国際腰痛クリニック東京
管理栄養士 出口