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分離症・分離すべり症
分離症・分離すべり症とは、10代の頃に行うスポーツ等で繰り返し背骨に負担がかかることで亀裂が発生し、継続的に大きな負担がかかると骨折を起こしたり、長い年月をかけて骨がずれてしまう病気です。若いころに激しいスポーツをされていた方に多く見られます。
自然には治らないので高齢になってから腰痛の原因になることも多いです。また、ずれがひどくなって神経を圧迫してしまうと、お尻・足のしびれや痛みが出てきます。

分離症・分離すべり症とは?
腰椎分離症とは、腰椎の後方部分にストレスが集中して疲労骨折(分離)を生じる疾患です。第5腰椎(腰椎の一番下)によく発生すると言われています。
青少年の腰痛の30%は腰椎分離症と言われていることから、青少年期の腰痛の原因の一つとして考えられています。
青少年期に分離症に気づかず、中年以降に腰痛を発症し、腰椎分離症が発見されることもあります。
- ・ 好発年齢:中学生の男子・小学校高学年の男女
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・
好発競技:サッカー・陸上・野球・バスケットボール・バレーボール
※体育の授業以外に運動を行っていなくても受傷した報告例あり
腰椎分離症の早期は、レントゲン写真やCTなどで骨折の所見を発見することが難しく、MRIによる確認が必要となります。
腰椎分離症の発見が受傷からの期間が短ければ、骨癒合率(分離部分が治る確率)は高くなります。
一方で発見までの時間が経つにつれて骨癒合が十分に得られず、中途半端な状態で骨癒合が終了してしまう偽関節(骨折部分がグラグラした状態)になる可能性が高くなります。偽関節の状態になると、分離部分を中心に、下の骨に対し、上の骨が前へずれた状態となる腰椎分離すべり症に移行してしまいます。
腰椎すべり症に移行しやすい特徴は、
- ・ 腰椎分離症を11歳以下で受傷
- ・ 腰椎分離症を両側で受傷
- ・ 骨萎縮(骨組織が局所性に減少した状態)
11歳以下で腰椎分離症を発症した際の分離部分の骨癒合率は、6割程度と言われており、4割の症例は骨癒合が得られていないということになります。


分離部の骨癒合率(分離部分が治る確率)は、70~100%と報告されています。分離症の発見が遅れるにつれて、癒合率は低下傾向となります。
分離症・分離すべり症の主な症状
■ 腰椎分離症の受傷直後の主な症状
- ・ 腰痛(腰のベルトのあたりの痛み)
- ・ 運動中に瞬間的に出現する腰痛
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腰を後ろにそらせた時に出現する腰痛
※狭い範囲に痛みが出るのが特徴的で、スポーツ後に気付く傾向にあります
偽関節(骨折部分がグラグラした状態)の部分は周囲に骨の棘が発生しやすく、骨の棘が神経に接触した場合は下肢痛などの坐骨神経痛を引き起こします。
年齢を重ねた際に腰痛で来られる方の中には偽関節が原因で来院される患者様も多くいます。
中には脊柱管狭窄症のような、長い距離を歩くと痺れが増し、休むと楽になる間欠性跛行が出現する場合もあります。
■ 腰椎分離すべり症の主な症状
- ・ 分離すべり症を起こしている部分の不安定感
- ・ 腰痛(腰のベルトのあたりの痛み)
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・
脊髄神経が圧迫されて生じる、痛みや痺れ
※腰椎分離すべり症では、排尿・排便障害/肛門部周囲の感覚障害などの馬尾神経症状は一般的に出現しません。
このような症状をお持ちの方は、ぜひ一度検査してみることをおススメします。
分離症・分離すべり症の原因とは?
腰椎の後ろ半分はリング状の構造をしています。そのリングの斜め後方は細く他よりも弱いことが特徴です。
腰椎分離症の原因は、以下のことが考えられています。
- ・ 股関節の柔軟性低下
- ・ 股関節の筋力低下
- ・ 腰部の伸展(腰を反る動き)や回旋(ひねる動き)運動の繰り返し
- ・ ジャンプからの着地などの運動の繰り返し
■ 腰椎分離症の原因動作の具体例
- ・ 股関節の前面の筋肉が硬いと、走るときに後ろに足が行きにくくなるので、腰を反らして足を後ろに伸ばしている
- ・ 股関節の前面の筋肉がが硬いと、しゃがむときに腰をまっすぐではなく、反らしてしまう
- ・ お尻の筋肉が硬いと、身体を捻る動きをした時に、股関節がしっかり動かず、腰を過度に捻ってしまう

分離症・分離すべり症の治療に対する当院の考え方について
一般的には分離症・分離すべり症に対してはまず保存療法で治療を行います。保存療法で症状が改善せず長期化している場合には、外科手術を提案されることが多いです。
しかし従来の手術法である腰椎固定術や腰椎後方除圧術は、骨を切除し、時に固定が必要であり、手術リスクが高い事、原因治療ではないため再発率(2年以内)が30~46%と高い事が問題でした。現在では内視鏡や傷口を小さくする等工夫されてきていますが、原理は同じで、根本的な原因を治療する訳ではないので、リスクも再発率も高いままです。
当院では分離症・分離すべり症に対応する治療法としてセルゲル法があります。手術リスクの高いご高齢の方や再治療を望む方も対応が可能です。
変性してしまった椎間板を修復・再生させることで、痛みやしびれの原因となる脊椎のずれが進まないように予防することが期待されます。
また分離すべり症のように不安定になった脊椎を安定させ痛みが起きにくくすることも目的としています。
従来の手術法

リスクが高く、再手術は基本的にできない。高齢者にとってリスクの高い治療法。また、埋め込まれる人工物は永続的に使用することはできないので一定期間で交換が必要となる可能性が高い
セルゲル法

椎間板にセルゲル治療を行う

椎間板を修復し、ずれの進行予防を期待
当院の治療法について
当院の治療法は、セルゲル法・フローレンス法・Qフローレンス法・ハイブリッドレーザー法・PODD法・PLDD法の6つの治療法を採用しています。
5つの治療法に異なる特徴やメリットがありますが、唯一「椎間板の修復」が可能な「セルゲル法」。この治療法についてまずはご案内したいと思います。
椎間板修復インプラント治療術 セルゲル法
椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後にインプラントとして椎間板に残り、クッションとして機能するため椎間板を保存します。また椎間板を修復し髄核の漏れが塞がれることによって椎間板自体が自身の再生能力によって元の正常な機能を回復することが期待される治療法です。欧州を中心に世界54ヶ国以上で導入されている先進的な腰痛治療法となります。
- 治療時間
- 1箇所10分~
治療後約90分は安静が必要となり、術後診察・お会計後にご帰宅頂けます。
軽動作は翌日から可能ですが、スポーツや重労働は1ヶ月程度見合わせる必要があります。
セルゲル法は欧州を中心に
世界54ヵ国以上で導入され、
45,000件以上の治療実績があります。
(2008年〜2024年4月)
当院は世界の中でも
治療/問い合わせ数ともに
数多くの実績があります。


このようなお悩みの方が対象
- ・ 長い間、腰痛で悩んでいるが痛みやしびれがひどくなってきた
- ・ 腰痛の手術(MED法、固定術、形成術など)を勧められている
- ・ 腰痛の手術で入院したくない、手術が怖い
- ・ 腰痛の手術をしたが改善しない(再発した)
- ・ なかなか時間が取れないため、日帰りで行える治療を望んでいる
- ・ 身体への負担が少ない治療を望んでいる
セルゲル法の主な特徴
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身体への負担とリスクが
少ない日帰り治療 - 治療時間は1箇所10分程度で、治療後約90分は安静が必要となります。安静後は術後診察・お会計後にご帰宅できます。
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老化した椎間板の
クッション機能を改善 - 椎間板にインプラントとして残るので椎間板のクッション機能としても作用します。
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レーザー治療やオゾン治療
外科的手術に代わる新治療 - レーザーや外科的手術を行ったが、効果が無かった場合でも治療可能です。
※ご高齢の方(80歳以上の方)も治療が可能です
治療方法 施術時間:1箇所10分〜
局所麻酔下で、X線透視装置を使用しながら、0.8㎜の針を椎間板に留置し、椎間板にインプラントを注入します。特に脱出したヘルニアにも、ジェルが浸透する程効果が高くなります。身体に負担が少ない局所麻酔にて、細い針のみを使用し治療を行うため傷跡も目立たず、約90分ほど安静にして頂くだけで治療後すぐにご帰宅頂けます。
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治療前
変性した椎間板組織の一部が飛び出し、髄核が漏れ出すことで痛みを伴う炎症が発生。 神経のそばで炎症が起きることでしびれが発生。
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治療
局所麻酔下で椎間板内に細い針を刺し、インプラント化するジェルを注入。
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治療後
損傷していた亀裂部分にジェルが入り込みインプラント化することで椎間板が修復。飛び出した椎間板も改善される。
治療による懸念事項
治療後1~2週間は症状が一時的に悪化する可能性があります。理由として、インプラントによる減圧効果により、周囲の組織をけん引する為と考えられています。その他、椎間板がすり潰れてほとんどなくなってしまっている様な場合は治療ができない可能性があります。神経損傷は自験例でも論文でも報告はありません。ただし局所麻酔薬によるアレルギー反応出現の可能性が極めてわずかですが存在します。
セルゲル法の治療費用
治療箇所 | 1箇所 | 2箇所 | 3箇所 | 4箇所 | 5箇所 |
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治療費用 | 1,200,000円 (税込1,320,000円) | 1,300,000円 (税込1,430,000円) | 1,400,000円 (税込1,540,000円) | 1,500,000円 (税込1,650,000円) | 1,600,000円 (税込1,760,000円) |
※当院で治療を行う場合、診察・診断費用、MRI等の検査費用は全て上記の費用に含まれます。
※本治療方法は健康保険が適用されないため、全額自費診療となります。
※治療(日帰り椎間板治療)のみの場合はクレジットカード(VISA,MasterCard,JCB,アメリカン・エキスプレス,ダイナース,ディスカバー)によるお支払いが可能です。
※リハビリ(腰痛特化型リハビリ)もご希望される場合は銀行振込によるお支払いが可能です。
※医療費の確定申告にて税金の還付を受ける事が出来ます。
1. セルゲル法について
この治療で使用されるDiscogelは医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器ですが、「医師等の個人輸入」により適法な輸入許可を得ています。日本では、未承認医療機器を、医師の責任において使用することができます。
2. Discogelについて
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Discogelの入手経路について当院で使用しているDiscogelはフランスのGelscom社で製造されたものを当院で個人輸入しております。
個人輸入された医薬品等の使用によるリスクに関する情報は下記URLをご確認ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index.html - Discogelの国内の承認医薬品等の有無:国内においては承認されている医療機器はありません。
- Discogelの諸外国における安全性等に係る情報
CEマーキングを取得しています(認証年月日:2007年10月5日)。CEマーキングは、製品がすべての関連する欧州医療機器規則(MDR)の安全性及び性能に関する一般要求事項(GSPR)を満たしていることを医療機器製造業者が主張するものであり、欧州連合内において機器を上市するために必要な法的要求事項です。
欧州医療機器規則(MDR: Medical Device Regulation)に準拠しています。欧州医療機器規則 Regulation (EU) 2017/745 は EU における医療機器に対する要求を定めるものです。 - Discogelの副作用等について
治療で使用する局所麻酔のお薬が注射針に沿って拡散し、一時的なしびれなどを引き起こす可能性があります。治療後1週間前後で一時的に痛みが発生する可能性があります。理論的には、治療時にDiscoGelが神経根に接触すると一過性の火傷のような感じをもたらす可能性があります。神経痛を伴う一時的な放射状の刺激が治療直後に現れる可能性があります。可能性は非常に低いですが、治療後に椎間板の容積が大きく減少した場合には腰痛が悪化する可能性があります。
その他、咽頭痛、一時的な排尿障害、アレルギー反応、椎間板炎が発生する可能性があります。 - Discogelが使用できない対象者(禁忌について)
構成成分に対するアレルギーがあることが知られている方、重度のうつ病、その他痛みの解釈が困難な状態にある方には使用できません。
また、妊娠中の方には適応していません。
セルゲル法に関するQ&A
- Q. セルゲル法と外科的手術との再発率の違いについて
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1960年代より始まった外科的手術は、変形した骨やヘルニアなどの組織を切除し、時に固定する事を目的としていますが、スクリューによる新たな骨の損傷や根本的な治療(椎間板線維輪の修復)を行っていないため、新たな腰痛の出現と再発率が問題でした。
その為1980年代に根本的な治療を行う必要性が高まり、当院でも行っている椎間板治療が始まりました。そして、現在では様々な治療法が開発されており、特に当院で採用している治療法は椎間板の修復効果を認めており、症状の改善だけでなく、再発率が極めて低くなっています。
- Q. 治療箇所はどのように決定するのですか?
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MRIとレントゲンの画像を見ながら30分ほどじっくりと時間をかけて医師が問診を行い、患者様に発生している状態の原因を突き止め治療箇所を決定し、対応する治療方法について患者様に説明を致します。MRIの画像では腰痛の要因として主に関連している[椎間板・神経・靭帯・関節部分]について[形状変化・神経への圧迫の状態・損傷の有無・炎症の有無]などを確認することができます。レントゲンの画像では主に骨の状態を確認することができます。
- Q. 治療後に一時的に腰痛が悪化する場合があるとのことですが、どの程度続きますか?
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個人差がありますが、一時的に増した痛みについては概ね2週間~1ヶ月程度で徐々に軽減・消失することが多いです。
- Q. 治療後はどのレベルの運動まで行うことができますか?
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一般の方の趣味の運動やスポーツであれば問題なく可能です。プロのスポーツ選手に関しては新たな椎間板の損傷が生じる可能性が高いため、医師と相談しながら検討してゆきます。
- Q. 治療後に気をつけることについて教えて下さい
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術後数日間は安静にし、長時間の座位、重い物を持ち上げる、体をひねる・曲げる・ 前屈みになる、激しい運動は避けるようにしてください。術後1週間後には、日常的な作業ができるようになります。2週間目には軽い運動が可能になります。ウェイトトレーニングは3ヵ月後から可能となります。
- Q. 保険は適用されますか?
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いいえ、保険適応ではありません。生命保険に加入されている方は対象になる可能性があります。スタッフまでお気軽にご相談ください。
- Q. 治療後はどのくらいの時間・期間で歩くことができますか?
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日帰りでの治療のため術後1時間程で歩いてご帰宅いただけます。
- Q. 治療までの通院は何回必要ですか?
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当院の治療の場合、診断後その日の内に治療を受ける事が可能です。診断のみをご希望され、後日治療だけお越しいただくこともあります。
- Q. 治療後、飛行機には乗れますか?
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術後何も問題がなければ、飛行機にお乗りいただくことができます。万が一、術後に痛みがある場合には医師の判断によりご搭乗が難しい場合もあります。
- Q. 分離症・分離すべり症になったらまず何に気を付ければよいのでしょうか?
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分離症・分離すべり症と診断されたら、まずはそれ以上椎間板の変性や骨の変性が進まないように予防することが大切です。特に腰に負担をかける動作や作業が多いのであれば頻度を減らす、また医師のアドバイスをよく聞いて次に何をすれば良いのか判断を仰ぎましょう。
- Q. 分離症・分離すべり症になると背骨全体がゆがみますか?
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はい、すべり症が進むと他の腰の疾患がでてくる場合があります。
神経を圧迫し、神経の通り道が狭くなる脊柱管狭窄症や椎間板の変形による椎間板ヘルニアを併発する場合もあります。
- Q. 分離症・分離すべり症が手術なしで完治することはあるのでしょうか
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残念ながら、骨に変形が起きている場合は完治することはありません。
症状の緩和や体質の改善を図ることで炎症を抑え、痛みの悪化・症状の進行を防ぐことは可能です。
- Q. 分離症・分離すべり症が治る薬はありますか?
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薬は根本治療にはならないため完治することはありません。
ですが痛みを緩和するため、または血流を改善するための薬などが処方されることがあります。強い痛みに対しては痛み止めとして服用を進める場合もあります。また長い間、薬を服用されてきた患者様が突然薬を中止してしまうと別の痛みが生じ、副作用が起こる場合もあるので服用を継続したまま運動療法や治療を行うことで改善することもあります。
- Q. 分離症・分離すべり症になったら仕事は続けられますか?
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症状の重さにもよりますが続けることは可能です。
ただし、デスクワークが多い・重労働をしているといった仕事である場合、腰への負担が大きいのでなるべくそういった作業は控える必要があります。また、仕事環境を変えることが難しい場合は体質の改善・姿勢・筋力の改善を検討してみてください。それらの方法で改善されれば継続することを推奨します。改善がない場合は医療機関へ相談・診断を受けることをお勧めします。
手術だけでは治らない腰痛の改善に、
他職種の専門家が知見を集結
OJウェルネスセンター
クリニックでは医師・看護師の治療が主体ですが、
こちらのプログラムでは治療後の生活の質を高めるために
必要なリハビリテーションを行える多職種の専門家が、
それぞれの専門性を発揮してきめ細かいサポートを行っています。
生活習慣や体の使い方、食事、血流の改善に取り組む
「アフターケア」を行うことで、
腰痛の治療効果100%を目指すことができると考えています。
人生100年時代、皆さんにお伝えしたいことは
「諦めないで」ほしいということ。
もう歳だから・・・と諦めず、どこも痛まない、しびれない、
心も体も穏やかな人生を享受できるように、
私たちが全力でサポートいたします。
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