腰痛があると、なかなか寝付かなかったり、夜中に目を覚めてしまったり、朝目覚めた時に痛みが増したりする場合も少なくありません。
今回は、腰痛持ちの方に正しい布団やマットレスの選び方について解説します。
腰痛とマットレス・布団の関係
腰痛の原因は、運動不足、普段の姿勢、加齢、椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患など様々です。腰痛があると、普段気にしていないことであっても、例えばマットレスや布団が合わないと痛みを悪化させてしまう場合もあります。
マットレスや布団の役割は睡眠時に身体の負担を分散させることです。寝た状態でも、僅かながらも首・背中・足に負担がかかります。通常でしたら、その負担(=体圧)が分散されますが、合わないマットレス等を使うと、体圧の分散がされず、腰に負担が大きくかかってしまいます。そうなると、腰痛が増してしまい、症状が悪化してしまいます。
腰痛が悪化しやすいマットレス・布団の特徴
腰痛持ちが選んではいけないマットレスや布団は以下の3つとされています。
・硬すぎるマットレス
柔らかすぎるマットレスを使うと、身体が沈みこんで寝返りが打ちにくくなります。寝返りは、身体への負担を軽減する役割をもつ行為であり、寝返りを打つことで負担を分散することができます。しかし、柔らかすぎるマットレスを使うと、身体がうまく寝返りを打つことができず、一つの姿勢で寝続けてしまうことになり、血行が滞ったり、筋肉がこわばったりしてしまいます。それで腰痛が増してしまいます。
・柔らかすぎるマットレス・布団
身体に合わない硬すぎるマットレスを使うと、マットレスと腰の間にすきまができ、身体の出っ張った部分に負担が集中しやすくなり、腰痛を悪化させてしまう可能性があります。
マットレス等を選ぶ際は、硬さの指数ではなく、自分に合っている硬さかどうかを確認しましょう。
・へたっているマットレス・布団
へたってしまったマットレスや布団を使うことも、身体が必要以上に沈み込んでしまい、身体の負担を分散させることができません。
一般的には、5年以上使い続けているマットレス・布団が要注意とされています。
現在使っているマットレス等がへたっているかどうかは、①寝転んだ時に腰・お尻がへこむか、②マットレスを触った時に腰やお尻が柔らかくなっているか、を基準にして確認しましょう。
腰痛持ちがマットレス・布団を選ぶ時のポイント
腰痛でお悩みの方は、マットレス・布団を選ぶ際に以下のポイントを参考にすると良いです。
硬さ
腰痛持ちの方は、硬めのマットレスや布団がおすすめです。大事なのは自分に合う硬さを選ぶことです。
柔らかいものは寝始めの時に心地よいですが、身体を支えきれず、身体が沈み込むことで寝返りが打ちづらくなり、体圧が分散できなくなります。
逆に、硬すぎるものを使うと、背中や尾てい骨に過度の圧迫がかかる可能性があります。
マットレス・布団を購入する前は、必ず硬さを確認しましょう。
サイズ
腰痛持ちの場合は、腰にかかる負担を分散させる必要がありますので、寝返りを打ちやすいサイズのマットレス・布団を選ぶことがおすすめです。
一人暮らしの場合はシングルサイズのものを選ぶことが多いですが、シングルサイズの横幅は約100㎝程度で、うまく寝返りができないこともあります。腰痛でお悩みの場合は、セミダブル以上のサイズを検討した方が良いです。
厚み
マットレスや布団を選ぶ際は、厚みも確認しましょう。
薄すぎるものは、身体を支えられなく、腰が涼みこんだり、底つきが発生して増します。それで腰痛悪化の原因になる可能性もありますので、要注意です。
マットレスの素材
腰痛持ちでマットレスを検討する場合は、高反発で厚みのあるものがおすすめです。高反発マットレスは、睡眠時に寝返りを楽に打つことができます。快適に眠れるためには多層構造で厚みがあるものを選んだほうが良いです。
布団の保温力
布団を検討する場合は、保温力が高い敷き布団を選びましょう。温かくない布団を使うと、寒さから身体を守るために丸まった寝姿勢になりがちで、腰に負担がかかってしまいます。腰痛を悪化させないためには、綿や毛などの天然素材が使われている保温力のあるものを選びましょう。
当院の治療
腰の痛みがある際は、根本的な治療も必要な場合があります。
当院は、損傷した椎間板を修復する治療、セルゲル法を行っております。
当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。
腰痛でお悩みの方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。