治療症例紹介・コラム

Colum 【冷えによる不調】

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ここ最近、夏になっても体が冷えて困っていると、悩んでいる方が増えてきました。
冷えによって起こる症状は様々です。
夏の冷えは腰や肩など、体幹部に冷えを感じる人が増えているといわれています。
この症状がひどくなると、腰痛、肩こり、疲労感、不眠、偏頭痛、食欲不振、下痢などの症状となって現れます。
冷えに対して有効なのは適度な運動です。
20分程度のウォーキングやストレッチ、ホットヨガなどは、冷え対策に有効です。また、腹式呼吸や質の高い睡眠も冷え対策に効果的です。
今回は冷えによる不調とその対策についてお話していきます。

私は普段の飲み物や食事に冷えの原因が潜んでると考えています。
・冷えたペットボトルの飲料をそのまま飲むだけでなく、氷を入れたグラスに注いで飲んでいる
・冷蔵庫から出した物ばかり食べていて、温かい物をあまり食べていない
・お風呂ではなくシャワーで済ませている
・運動不足や涼しい室内での生活
・無理なダイエットの実施

など冷えの原因をいくつか書きましたが、冷えの原因は大きく分けて3つになります。
①基礎代謝が低い
基礎代謝は、1日のエネルギー消費の60~70%を占めています。
体の部位ごとに基礎代謝を分けると、筋肉が約38%、肝臓が約12%、胃腸と腎臓がそれぞれ約8%、脾臓が約6%、心臓が約4%、その他が約24%になります。この中で代謝量を上げやすいのは筋肉であり、代謝に占める割合も大きいため、筋肉量が少ないと生み出せる熱も少なくなります。

②自律神経のバランスの乱れ
自律神経のバランスが乱れると血流が滞り、全身に熱(血流)が送りにくくなります。
これは以前の記事でもあるように、エアコンの効いた室内と暑い屋外を出入りすると、血管の収縮と拡張が繰り返され自律神経の疲労が起きます。これが乱れに繋がります。
食べ過ぎも冷えの要因であり、食べ過ぎると消化のために血液が胃腸に集まってしまい、熱産生量の多い筋肉やほかの器官への血液供給が減ってしまいます。
腹八分目にしましょう。

③排出機能に問題がある場合
汗をかいたり排尿が行えている場合は問題ありません。しかし、血流が悪く体が冷えているために、汗をかかず水分の排出が十分でない人は体に不要な水分がたまり(水毒状態)、冷えやすくなってしまいます。その場合は汗や排尿がしっかりと行える身体に調整することが優先されます。また、脂肪には断熱効果があり、身体を冷えさせるので脂肪率ではなく、脂肪量が多い人は継続的な減量が必要になります。


〇対策
【自律神経の改善に「お風呂」がおすすめ】
お湯に浸かることで全身の血行が良くなり、新陳代謝を促進して体温を上げることにつながります。
シャワーのみは体を冷やし、血流を悪くし交感神経優位になる原因にもなります。
なお、半身浴よりも全身浴の方が血流に効果的です。心臓に問題がなければ、冷え対策にお勧めなのは38~40度のぬるめのお湯に10~20分程度、肩までつかるのがいいでしょう。

【ダイエットは計画的に長期で行うと綺麗な体になる】
運動をしないで食事制限だけを行う、短期間での大幅なダイエットなど、間違ったダイエットにより筋肉量を減少させてしまうと、冷えの原因になります。体温を作り出すのに必要な筋肉が働かなくなってしまうので、適切な体重管理を行いましょう

【運動を行って暑熱順化と排出機能を正常にする】
夏は暑いからと運動を避けてはいないでしょうか。筋肉には多くの毛細血管があるため、筋肉を動かすことで血流が良くなり、体が温まります。夏に汗をかかない人が増えているといわれていますが、運動不足や室内での生活、エアコンの過度な使用、お湯に浸からないことも汗をかきにくくなる原因と考えられます。


これからの夏を腰痛や不調に悩まされないように自身でケアしていきましょう。
次回は「腰痛と冷え」についてお話できればと思います。
腰痛でお困りのことがあれば当院に気軽に連絡してください。