治療症例紹介・コラム

Colum 腰部椎間板ヘルニアとは?痛みの原因と症状について

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脊椎疾患で最も多いとされるのは、腰部椎間板ヘルニアです。

これはどのような疾患でしょうか?

腰部椎間板ヘルニアとは?

椎体と椎体の間には椎間板があります。椎間板は中央にゼラチン状の髄核があり、髄核を取り囲むようにコラーゲンを豊富に含んだ線維輪があります。椎間板は髄核と線維輪の2つの組織により形成されています。

線維輪に亀裂が生じ、髄核が外に飛び出した状態は、椎間板ヘルニアといいます。腰部の椎間板にヘルニアが生じた場合は、腰部椎間板ヘルニアとなります。

椎間板ヘルニアの主な原因は、遺伝的要因や加齢、日常生活の負担による椎間板の老化です。加齢や日常生活での負担とともに椎間板の線維輪に亀裂が入ることで、髄核が線維輪から漏れ出して水分を失うことで、椎間板が薄くなり潰れた状態になります。特に、日常生活で重たい物を持ち上げたり、激しいスポーツを行うことが椎間板を痛める原因になります。

レントゲンやMRIなどで椎間板が黒く写り、潰れた状態が確認できます。

腰部椎間板ヘルニアの症状

腰部椎間板ヘルニアの主な症状は、腰痛に加えて、お尻や足の痛み・しびれです。痛みやしびれは下半身のどこにでも出る可能性がありますが、特にお尻から太ももの裏側の痛み、坐骨神経痛は、腰のヘルニアの代表的な症状です。

背骨が横に曲がり、動きにくくなり、重いものをもったりすると痛みが強くなることがあります。急に症状が出ることもあれば、徐々に現れることもあります。

神経が非常に強く押されている場合には尿や便が出にくい、漏れてしまうという症状が出ることもあります。

痛みの原因

以前から重度のヘルニアであっても痛みがない場合や、反対に軽度のヘルニアでも強い痛みがでる場合があり、謎とされていました。最近は、飛び出した髄核が炎症を起こす結果、周辺の神経に炎症が飛び火することで痛みが発生することが分かってきました。

飛び出した髄核の炎症は一定期間(数か月)で自然消失することも判明しています。例えていえば、焚火と同じで、新しい薪をくべると激しく燃えますが、時間が経過すると火が消えてしまうのと同じです。また薪は燃えたあと、炭として残ると同様に、ヘルニアも炎症後に残存することがあります。この残存したヘルニアは画像検査で重度のヘルニアとして見えますが、炎症が収まっているため症状がないわけです。

椎間板ヘルニアによる痛みの原因は、脱出した髄核による物理的な神経圧迫ではなく、脱出している髄核による炎症です。

数か月以上痛みが持続している人は、常に新しい髄核が漏れ続けていることを意味しています。反対に痛みが改善した人は、髄核の漏れが止まった状態を意味します。

これは椎間板ヘルニアという疾患を理解するために非常に大切なことです。外科的手術では漏れ出た髄核を摘出し炎症を消失させますが、線維輪の亀裂を塞ぐことができないため、髄核が漏れ続けて再度ヘルニアとなり、再度痛みなどの症状が出てきます。

腰部椎間板ヘルニアを治し、再発防止には椎間板を修復する必要があります。

椎間板を修復する治療―セルゲル法

セルゲル法は、近年研究・開発されてきた先進治療方法の一つであり、エビデンスがしっかりしている治療法では最も新しい治療法です。

他の治療法では不可能であった「椎間板の修復」が可能なため、根治的治療になりえます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

椎間板ヘルニアだけでなく、幅広い疾患に対して適用でき、また外科手術後に痛みがとれなかった方や、再発してしまった場合でも、80歳以上の高齢者でも治療を受けることができます。

椎間板ヘルニアと診断されたことのある方、腰痛でお悩みの方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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