治療症例紹介・コラム

Colum 【現役外科医師監修】ハイブリッドレーザー治療とは。どんな方に向く術法なの?具体的に何をやるの?そんな疑問を解消します!

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椎間板ヘルニアの治療は様々です。保存療法もあれば、ヘルニアを摘出する外科的手術もあり、近年はヘルニアのある椎間板にアプローチする椎間板治療もあります。

今回は椎間板治療の一つであるハイブリッドレーザー治療に関して解説します。

ハイブリッドレーザー治療とは

ハイブリッドレーザー治療は、椎間板ヘルニアに対する低侵襲治療です。レーザー治療(PLDD)とオゾン治療(PODD)を同時に行うことで、両方の利点を併せることを目的とした治療です。

レーザー治療の利点は、椎間板ヘルニアの原因である椎間板内の圧力を下げることであり、オゾン治療の利点はヘルニアで生じている炎症を抑えることです。

レーザーとオゾンの治療の利点を併用することでより高い効果が期待できます。

ハイブリッドレーザー治療の術式

ハイブリッドレーザー治療は、局所麻酔下で行われます。

X線透視装置を使用しながら、背中から椎間板内に1mmの穿刺針を留置します。針の中にレーザーファイバーを通して、髄核を照射して、椎間板内を減圧させます。その後、オゾンを注入して、炎症を軽減させます。

ハイブリッドレーザー治療のメリットとデメリット

ハイブリッドレーザー治療のメリット

・治療時間は25分程度でやや短いです

・切開をせず、穿刺針を使用する治療ですので、術後の傷跡が目立ちません

・ヘルニアの消失と炎症に対する治療が同時に行えますので、PLDDやPODDよりも効果があります

ハイブリッドレーザー治療のデメリット

・全てのヘルニアに対して有効ではありません

・健康保険は適応外です

・再発率はレーザー治療・オゾン治療と同様に5%~15%で割と高いです *1

*1 参照元:Daniel S.J. Choy, et al. Twenty-three years of percutaneous laser disc decompression (PLDD)State of the art and future prospects. Medical Laser Application. Volume 24, Issue 3, 2009. Bhatia, A., et al. Percutaneous Ozone Treatment for Herniated Lumbar Discs: 1-Year Follow-up of a Multicenter Pilot Study of a Handheld Disposable Ozone-Generating Device. Journal of Vascular and Interventional Radiology. Volume 30, Issue 5, 2019.

再発率を下げたいという方に

前述したように、ハイブリッドレーザー治療は再発率が高いです。その理由は、椎間板ヘルニアによる症状を抑えるが、椎間板自体の修復ができないためです。

再発率を下げるためには損傷している椎間板を修復する必要があります。それができるのは、セルゲル法です。

セルゲル法

セルゲル法は損傷した椎間板を修復する治療です。

椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、更なる椎間板の変性を防ぎ、根本的な治療となり得ます。

椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

セルゲル法は腰部の椎間板変性にも頚部の椎間板変性にも適応されます。

腰痛でお悩みのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

この記事の執筆者

整形外科医 簑輪 忠明

所属学会・資格
 日本腰痛学会
 日本内視鏡外科学会
 日本医師会認定産業医
 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
 セルゲル法 認定医
 オゾン治療 認定医
 フローレンス法 認定医