治療症例紹介・コラム

Colum フローレンス法とは?脊柱管狭窄症の先進的日帰り治療、フローレンス法をご紹介

当院は、新しい治療、フローレンス法を導入いたしました。

今回はこのフローレンス法に関して解説します。

フローレンス法とは

フローレンス法は、先進的な脊柱管狭窄症の治療です。2015年にイタリアのDiametros Medical有限会社で開発されたLobsterスペーサーを使用して、狭くなった脊柱管を広げることを目的にします。

Lobsterスペーサーを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛み・しびれなどの症状が解消されます。

安全性等にかかわる情報

LobsterスペーサーはCEマーキングを取得しています。

CEマーキングは、製品がすべての関連する欧州医療機器規則(MDR)の安全性及び性能に関する一般要求事項(GSPR)を満たしていることを医療機器製造業者が主張するものであり、欧州連合内において機器を上市するために必要な法的要求事項です。

欧州医療機器規則(MDR: Medical Device Regulation)に準拠しています。欧州医療機器規則 Regulation (EU) 2017/745は EU における医療機器に対する要求を定めるものです。

日本においては、医薬品医療機器等法上の承認を得ていない未承認医療機器ですが、「医師等の個人輸入」により適法な輸入許可を得ています。

日本国内において承認されている医療機器はX-STOPがありますが、2015年からメーカー(メドトロニック社)の方で販売中止となっています。*1

*1 参考:Medical Coverage Policy No.0448. Interspinous Process Spacer Devices. 2023.

フローレンス法が行われている国

フローレンス法は欧州を中心に、アジアはイスラエルと日本、アメリカはメキシコとチリに導入されています。

フローレンス法のメリット

フローレンス法はリスクの少ない低侵襲治療です。従来の外科的手術と違って、骨を削らず、靭帯等を損傷せず温存のままになるため、身体への負担が少ないです。

また、フローレンス法は局所麻酔と鎮静下で行われますので、全身麻酔で行われる手術を受けられない患者様も実施可能です。

治療時間も短く、約30分/1箇所程度で、治療後約2時間は安静にしてから当日帰宅できます。入院が必要ありません。

フローレンス法の対応疾患・禁忌

対応疾患

フローレンス法は、次のような症状があり、6ヶ月間も持続している場合に適応します。

足や臀部の痛みがある

鼠径部痛がある

腰が痛い

間欠性跛行がある

疾患名で言えば、脊柱管狭窄症、軽度な変性すべり症(グレード1まで)、椎間関節症に適応となります。

※治療適応かどうかの判断は、MRI・レントゲン検査と診察を行った上で判断されます。

適応外となる場合

脊柱管狭窄症の原因が椎間板や骨による影響が大きい場合は、フローレンス法の効果見込みが低いため、適用外となるケースがあります。また、骨粗鬆症の場合(特に重度な場合)は骨折のリスクがあるため適用外となります。

スペーサーの成分や麻酔薬によるアレルギーがあることが知られている方、重度の肥満のある方、うつ病、その他痛みの解釈が困難な状態にある方には使用できません。

また、妊娠中の方には適応していません。

フローレンス法の治療方法

局所麻酔下で、X線透視装置を使用しながら、背中を1~2㎝程度切開し、治療する腰椎の棘突起の間に専用チューブを留置し、スペーサーを挿入します。1箇所あたりの治療時間は約30分です。

スペーサーの羽根を開けて狭くなった脊柱管を広げます。

傷跡も小さく、2~3時間ほど安静にしていただき、治療当日にご帰宅いただけます。

フローレンス法の治療効果

脊柱管狭窄症では変性した椎間板や靭帯などが神経を圧迫して、痛みやしびれの症状の原因となります。

フローレンス治療でスペーサーを挿入することで、神経の圧迫が消失して、痛みやしびれ等の症状が改善します。

治療後の注意事項

日常生活は翌日から可能ですが、スポーツや重労働は1ヶ月程度見合わせる必要があります。

局所麻酔薬によるアレルギー反応出現の可能性が極めてわずかですが存在します。

スペーサー挿入により神経や硬膜など周辺組織の損傷の可能性がありますが、自験例でも論文でも報告はありません。

脊柱管拡大が不十分な場合は、間欠性跛行等の症状が残存する可能性があります。

脊柱管狭窄症・すべり症と診断されて、腰痛でお悩みのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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