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腰痛と姿勢の関係:正しい姿勢で痛みを軽減

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「姿勢が悪いと腰痛になる」とよく言われています。

今回は腰痛と姿勢の関係について解説します。

良い姿勢と悪い姿勢とは

良い姿勢とは、立位時に耳垂〜肩峰~大転子〜膝関節前部〜外果前方が直線上に一致する姿勢とされています。

悪い姿勢とは、上記の状態が崩れたものと言います。悪い姿勢は、後彎前彎姿勢(B)、平背姿制(C)、後彎平坦姿勢(D)に分類されています。

(Kendall F.P., et al. Muscles: Testing and Function with Posture and Pain, 5th edition, Lippincott Williams & Wilkins, 2005より)

腰痛と姿勢の関係があるのか?

腰痛と姿勢の関係に関しては様々な論文が発表されています。

例えば、766名の青年を対象とした調査では、姿勢と背部痛との関連性が確認されています。その結果、腰痛の経験は、正常な姿勢と比べて、良くない姿勢のある青年たちが多いのです。*1

他方、悪い姿勢と腰痛の関係を示す根拠がないという論文もあります。悪い姿勢があるから腰痛になるのではなく、同じ姿勢を取り続けることが腰痛の原因になると結論付けられています。*2

*1 参考:Smith A., OʼSullivan P., Straker, L. Classification of Sagittal Thoraco-Lumbo-Pelvic Alignment of the Adolescent Spine in Standing and Its Relationship to Low Back Pain. Spine, 33(19), 2008.

*2 参考:Sai Kripa, Harmanpreet Kaur. Identifying relations between posture and pain in lower back pain patients: a narrative review. Bulletin of Faculty of Physical Therapy. 26-34, 2021.

腰にかかる負担

スウェーデンの整形外科医 Nachemson氏(*3)は様々な状態でどれくらい椎間板にかかる負担の差を調べました。

真っ直ぐ立っている状態の時の負担を100とした場合は、下記のような結果となりました。

・まっすぐ立った状態:100

・仰向けで寝た状態:25

・横向きで寝た状態:75

・立った状態で上半身を前に軽く傾けた状態(中腰):150

・中腰の状態で物を持った状態:220

・椅子などに座っている状態:140

・椅子などに座って前に屈んだ状態185

・椅子などに座って前かがみで物を持った状態:275

*3 参考:Nachemson, A. L. The Lumbar Spine: An Orthopaedic Challenge. Spine, 1(1), 1976.

腰に負担が大きければ大きいほど、椎間板の老化が進みやすくなってしまい、腰痛を伴う腰椎椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患になりやすくなります。

負担のかからない姿勢

ここでは、負担のかからない姿勢をご紹介します。

座り姿勢

骨盤はすべての土台ですので、骨盤の位置をしっかりと整えることで、腰に負担がかからない姿勢がとれます。

座る時は、胸を張りすぎないようにしましょう。胸回り・肩回りを意識しすぎると、筋肉への負担が増えます。骨盤の上に胸・頭を乗せるような感じで楽に座りましょう。

立ち姿勢

踵に体重を乗せることにします。丹田(おへその下あたり)が踵の上に来るように意識しましょう。丹田が踵の上に乗った状態で、上半身の重たさを丹田に乗るように意識してください。

意識をし過ぎて力を入れすぎてしまいますので、余計な力を入れないようにしましょう。

立ち上がり方:腰への負担を減らすために

立ち上がりは、骨盤の動き・下肢の力の入れるタイミング・背骨を良い姿勢で保ちながら動かすことなど重要なポイントが濃縮した動きになります。

立ち上がりをしっかりとできるようになることで、動作の改善だけでなく、腰への負担軽減にもつながります。

1.スタートポジション:立ち上がる前にしっかりと骨盤を起して、丹田の上に上半身がのるように姿勢をとってください

2.身体を前に倒すのは、身体を丸めるのではなく、骨盤を倒すことからにします。

背中を丸めないように骨盤を意識して倒すことでスムーズな体重移動ができます。

3.お尻を浮かせるときは、膝とお尻の筋肉が働きます。

お尻が浮くタイミングで腰に力が入っていると、身体への負担が大きくなりますので、膝・お尻に力が入るようにお尻を浮かせましょう。

姿勢を良くするための運動

上半身と下半身のつなぎ目である股関節の動きを良くすることで、立ち姿勢や歩き姿勢を余計な負担のない良い姿勢にできます。

1.四つ這い姿勢をとります。体重は手より膝に多めにかけてください

2.背中は真っすぐ、骨盤も丸くならないような姿勢をとってください

3.骨盤-背骨が丸くならないようにお尻をゆっくりと後ろに引きます

4.骨盤-背骨が丸くなりそうになったところで引くのを止めて元に戻します

 ※股関節の動きにしっかりと意識を向けて行いましょう。

当院の治療

腰の痛みがある際は、根本的な治療も必要な場合があります。

当院は、損傷した椎間板を修復する治療、セルゲル法を行っております。

当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

腰痛でお悩みの方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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