腰痛と姿勢改善：正しい姿勢で痛みを予防
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腰痛の原因は様々ですが、その一つは日常的な姿勢です。
今回は腰痛と姿勢改善について解説します。
腰にかかる負担
スウェーデンの整形外科医 Nachemson氏（＊1）は様々な状態でどれくらい椎間板に負担がかかるかを調べました。
真っ直ぐ立っている状態の時の負担を100とした場合は、下記のような結果となりました。
・まっすぐ立った状態：100
・仰向けで寝た状態：25
・横向きで寝た状態：75
・立った状態で上半身を前に軽く傾けた状態（中腰）：150
・中腰の状態で物を持った状態：220
・椅子などに座っている状態：140
・椅子などに座って前に屈んだ状態185
・椅子などに座って前かがみで物を持った状態：275
これを見ると、「前に屈む」「物を持つ」「座る」姿勢は最も腰に負担がかかりやすいことがわかります。
腰に負担が増えれば増えるほど、椎間板の老化が進みやすくなってしまい、腰痛を伴う腰椎椎間板ヘルニアなどの脊椎疾患になりやすくなります。
＊1 参照元：Nachemson, A. L. The Lumbar Spine: An Orthopaedic Challenge. Spine, 1(1), 1976.
腰痛につながる偏った姿勢に注意
偏った姿勢は腰痛の原因になります。体の位置が前後または左右にずれたり捻じれたりすることで、体の一部に過剰な負担がかかってしまい、腰痛を起こす可能性が高くなります。
猫背
猫背は頭が前に出てきて、頭の重みを支えるために腰に大きな負担がかかります。
脚を組んで座る
脚を組むと、骨盤の左右の高さが変わってしまい、腰への負担がかかります。既に腰痛持ちの人が足を組んで座ると、腰が丸まる傾向となり、さらに腰痛が悪化してしまう原因となります。
片方に重心を寄せて立つ
左側または右側に重心を寄せた立ち方も腰痛の原因になることがあります。重心を寄せた側の腰への負担が大きくなり、痛みが発生してしまいます。
正しい姿勢
立ち姿勢
正しい立ち姿勢は、まっすぐ立つことです。顎とお腹を引っ込めて、横から見た場合は外くるぶし―大転子―肩―耳を結ぶ線が１本の線になり、正面から見たら鼻―胸骨―お臍―足と足の間を結ぶ線を中心に左右対称な姿勢は、理想的な立ち姿勢です。
座り姿勢
椅子に深く腰をかけ、背筋をまっすぐ伸ばします。腰と太もも、太ももと膝はほぼ直角を保ち、足の裏全体が床につきます。これは腰に負担の少ない座り方です。
姿勢を改善する方法
ストレッチ
ストレッチをすることで、固まりがちな筋肉をほぐし、柔軟性を高めます。猫背の予防もでき、姿勢が良くなります。
ストレッチはゆっくりと行い、筋肉を優しく伸ばすことがとても大切です。
筋力トレーニング
良い姿勢を保つためには背中や腹部の筋肉を強化することも大事です。
筋力トレーニングで筋肉を鍛えることで、筋肉のバランスを整えることができます。
日常的での注意点
良い姿勢を維持して、腰痛を予防するためには、日ごろから生活習慣の改善も意識することが大切です。
正しい座り方や正しい立ち方はもちろん、重い荷物を両手で均等に持つこと、自分に合う枕やマットレスで寝るなど、日常生活において気を付けるようにしましょう。
また、バランスのとれた食事も必要です。抗炎症作用のある食品（脂肪の多い魚、緑黄色の野菜、ベリー類、ナッツ、オリーブオイルなど）は筋肉・関節の炎症を軽減し、カルシウムやビタミンDなどが豊富な食品（乳製品、小魚、海藻類、キノコ類、玉子など）は骨や筋肉の健康を支えます。それに適切な水分摂取も大事です。
当院の治療
腰の痛みがある際は、根本的な治療も必要な場合があります。
当院は、損傷した椎間板を修復する治療、セルゲル法を行っております。
当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。
腰痛でお悩みの方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。
