睡眠は人にとって不可欠なものであり、生理的欲求の一つでもあります。日本人の4人に1人が「睡眠で休養できていない」など何らかの問題があることが報告されており、睡眠不足はうつや腰痛、疲労感など様々な影響を身体にもたらします。 2021年世界の睡眠時間調査において日本の平均睡眠時間は「6時間44分」となっており、睡眠時間を確保出来ていない国1位になっています。 24時間コンビニやスマートフォンの普及の影響もありますが、1番は日本人の睡眠に対する意識が低いことが原因です。日本では睡眠時間が短いことが美徳とされる場面を度々目にします。その結果、不眠症の他にも様々な症状を引き起こしてしまいます。 睡眠不足による身体への影響 ・ホルモンバランスが崩れて太りやすい体になる ・身体を休める時間が確保できずに疲労が蓄積していく ・脳を休める時間が少ないために記憶や感情の処理などの能力が低下する ・腰痛の発症/悪化のリスク因子となる ・死亡率が上がる(6時間半~7時間半から外れると) 睡眠と腰痛の関係性 腰痛は成人における最も頻度の高い疼痛性障害の1つで、不眠症を伴うことが多いです。しかしながら、腰痛があるから不眠症になるのか、不眠症があるから腰痛になるのかは明らかになっていませんでした。 最近の研究で睡眠不足が続くと腰痛が発症するリスクが高まることが発表されています。 他にも ・不眠症の症状がある人は3年後に腰痛を患うリスクが1.4倍高くなる。 ・東日本大震災の日本人向けの研究データにおいても睡眠障害を患っている頻度や時間が長ければ長いほど、 腰痛の発症リスクは高まる。 ・睡眠不足により痛みの感じやすさが敏感になり、痛みを強く感じやすい体になる。 このように腰痛が原因で不眠症になることは証明されていませんが、不眠症が腰痛を発症/悪化させるリスクになることは証明されています。 痛みが感じやすくなれば、寝たくても寝られない状況が続きます。だからこそ質の良い睡眠が必要になります。 まずは自分の睡眠について知ることが大切です。 ・何時に寝て何時に起きる時が最も快活に過ごせるのか? ・睡眠時間は何時間確保すれば日中に影響なく過ごせるのか? ・寝れない原因はどこにあるか把握しているか? など自分の主観で問題ありませんので、一度改めて睡眠について考えることが大切になってきます。 腰痛を予防・緩和させるのは運動だけではなく、日々の生活習慣による影響が大きいので改善が必要と感じた方はこれを機に気にしてみてください。 ILC国際腰痛クリニック東京 ~参考文献~ https://www.ingentaconnect.com/content/wk/brs/2022/00000047/00000004/art00014 https://core.ac.uk/download/pdf/236076539.pdf 特異度:低 https://bibgraph.hpcr.jp/abst/pubmed/17309767?click_by=rel_abst
治療症例紹介・コラム