治療症例紹介・コラム

Colum 【水分摂取と腰痛】

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今回は、水分摂取と腰痛の関係についてお話しします。
正しい水分摂取が腰の健康にどのような影響を与えるのか、ぜひ知識として持っておいてください

〇水分摂取と腰痛のつながり
 適切な水分摂取は、体の様々な機能に影響を与えます。特に、腰痛との関連性は注目されています。
 近年、水分不足が身体のさまざまな側面に影響を及ぼすことが知られているからです。

①椎間板の保湿 
 腰の痛みの一因として、椎間板の乾燥や劣化が挙げられます。
 椎間板は脊椎の骨と骨の間に位置するクッションのような役割を果たしています。
 適切な水分摂取によって、椎間板は保湿され柔軟性が保たれます。
 水分不足は椎間板の劣化を促進し、腰痛の原因となる可能性があります。
 椎間板を健康に保つには、椎間板に栄養を与えている血管を収縮させないことが必要です。
 夏でも常温のものや温かいものを、意識的に飲む機会を設けましょう。

②筋肉の柔軟性維持
 筋肉は体のサポートを担う大切な役割を果たしています。
 水分不足は筋肉の柔軟性を低下させ、硬直した状態を引き起こす可能性があります。
 この影響で、腰周辺の筋肉が適切に機能せず、腰痛が引き起こされるリスクが高まる可能性があります。

③炎症の軽減
 水分は体内の老廃物を排出し、炎症を軽減する役割を果たします。
 炎症が慢性的になると、腰部にも影響を及ぼすことがあります。
 十分な水分摂取は、炎症予防につながり、腰痛のリスク、痛みの軽減に必要です。
 実際、意識的に水分摂取を行うだけで、しびれが緩和したり、痛みが軽減する方もいます。
 痛みの原因は本当に様々であり、必ずしも筋肉や椎間板などの組織だけが原因ではないことを知っておいてください。


〇適切な水分摂取のポイント

①日常的な水分摂取
 1日に必要な水分摂取量は個人によって異なりますが、ガイドラインでは体重1㎏×(25ml~35ml)が推奨されています。
 60㎏、60歳の人であれば約1.8 L の水が1日に必要です。
 水分は尿や便からの損失と、皮膚や呼吸からの損失があります。
 食事や体内からつくられる水分を差し引いても、1日、「1.2L前後」 は必要です。
 定期的に水を飲む習慣をつけましょう。
 *実際には年齢、体重、運動量、運動強度、平均体温などが関わってきます。紹介させていただいたのはあくまで目安です。
  目安に固執する必要はありません。飲めていない方は、まずペットボトル2本分ぐらいを目指していきましょう。
  
②鼻呼吸
 口呼吸により口の中が乾燥することで、喉が渇いたと身体が勘違いし、必要以上の水分摂取を行う可能性が出てきます。
 本来、人間は鼻呼吸での生活がメインで、口で生活するのは緊急時のみです。
 歯並びや舌の位置が下がることにより、現代は口呼吸が増えてきました。
 鼻呼吸の方が免疫に関してもメリットがあることは分かっているので、これを機に口で呼吸している方は意識してみましょう。

③バランスの取れた飲み物
 水分摂取はただの水だけでなく、ハーブティーやスムージーなども含めて考えることが重要です。
 ただし、過度なカフェインや糖分を含む飲み物は避けましょう。

④食事からの水分補給
 野菜やフルーツには水分が豊富に含まれています。
 食事を通じても水分を摂取することで、体内の水分バランスを保つことができます。

⑤腰痛ケアにおける水分摂取の重要性
 腰痛の予防や改善には、正しい水分摂取が欠かせない要素であることがわかりました。
 水分は椎間板や筋肉の健康をサポートし、炎症を軽減する役割を果たします。
 日常生活で適切な水分摂取を心がけ、健康な腰を保つ一環として取り組んでみましょう。

腰痛にお悩みの場合は、専門家のアドバイスを受けることもおすすめです。
次回は「体が元気になる水分の取り方」です。
ぜひ、参考にしてみてください。

ILC国際腰痛クリニック東京
管理栄養士 出口