脊柱管狭窄症の手術を受けるべきタイミングとは?医師が勧める基準
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背骨の中にある神経の通り道(=脊柱管)が狭くなった状態は、脊柱管狭窄症といいます。
その治療は、保存療法もあれば、手術もあります。
今回は脊柱管狭窄症の手術を受けるべきタイミングについて解説します。
脊柱管狭窄症とは
脊柱管狭窄症とは、神経の通り道である脊柱管が狭窄する(=狭くなる)ことにより、神経が圧迫される状態です。腰椎が不安定なことが原因の場合、身体の動きで痛くなることが多いです。
腰椎の脊柱管狭窄症では、腰から下のしびれや痛みが出現します。歩いているとお尻や足に痛みやしびれが生じ、休むと楽になるが、また歩くと再び痛みが出るといった、間欠性跛行という症状が特徴的です。

保存療法と手術の見極めポイント
脊柱管狭窄症の治療は、保存療法(薬物療法、理学療法)と手術(日帰り低侵襲施術、外科的手術)があります。
多くの場合、治療は保存療法から始まりますが、症状の程度や進行具合により手術も提案されます。
手術を受けるタイミングと言えば、以下のことが目安となります。
保存療法で効果がない場合
保存療法を数ヶ月続けても、症状が改善しない場合は、手術が提案されます。
日常生活に影響が出るほどの症状がある場合
日常生活に支障をきたすような強い痛みや痺れが続いたり、また間欠性跛行(歩行時に足の痛みや痺れで歩けなくなり、休むと回復する症状)が強かったりする場合は、脊柱管狭窄症が進行してきていることを考慮に入れて、手術が提案されます。
排尿障害や排便障害がある場合
排尿や排便の障害があれば、脊柱管狭窄症が進行していることを意味します。この場合は、手術を行わないと症状改善が期待できないことがあります。
筋力低下がある場合
筋力が著しく低下した場合は、歩けなくなり寝た切りになることがあります。この場合も、早めの手術が検討されることになります。
脊柱管狭窄症の早期診断が大切
腰部脊柱管狭窄症は高齢者に多く見られる疾患です。
間欠性跛行などの症状があると、歩行が難しくなり、日常生活に支障をきたしてしまいます。家を出ず、寝たきりになる方もおり、鬱状態になる方も少なくありません。
また、症状が進行すればするほど、背骨を削ったり金属で固定したりする全身麻酔で行われる外科的手術しか適応できなくなることもあり、術後も思うような改善が見られなくなることもあります。
症状がひどくならないうちに、適切な診断を受けて、早期に適切な治療を受けることがとても重要です。
当院の治療:フローレンス法・Qフローレンス法
当院は、脊柱管狭窄症に対してフローレンス法・Qフローレンス法を行っています。
フローレンス法とQフローレンス法は、リスクの少ない低侵襲治療です。
部分麻酔と鎮静下で経皮的にデバイスを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。
デバイスを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛みが解消されます。
フローレンス法及びQフローレンス法は、低侵襲でリスクの少ない治療であるため、治療後の合併症や症状の再発に関する報告がありません。

脊柱管狭窄症でお悩みの方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。