脊柱管狭窄症の初期症状とは?見逃しがちなサインと早期対処法
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背骨の中にある神経の通り道(=脊柱管)が狭くなった状態は、脊柱管狭窄症といいます。
今回は腰部脊柱管狭窄症の初期症状や予防対策について解説します。
脊柱管狭窄症とは
脊柱管狭窄症とは、神経の通り道である脊柱管が狭窄する(=狭くなる)ことにより、神経が圧迫される状態です。腰椎が不安定なことが原因の場合、身体の動きで痛くなることが多いです。
脊柱管狭窄症の初期症状
脊柱管狭窄症の初期症状は、腰痛です。立ち上がったり歩いたりすると、腰が伸展して脊柱管がさらに狭くなり、神経への圧迫が強くなりますので、痛みも悪化します。
神経圧迫がある限度を超えてしまうと、下肢の痛みや痺れが生じます。

次のようなことがあれば、脊柱管狭窄症を疑えますので、要注意です。
・立ったり歩いたりする時に痛みがひどくなるが、座ったり前かがみになったりすると楽になる
・歩くのが大変だが、自転車乗りは問題ない
・後ろに反る体勢がつらい
このような症状があったら、早めに専門医による診断を受けるようお勧めします。
放置のリスク
脊柱管狭窄症は、初期の頃に強い痛みがありませんが、痛みが強くなったり、下肢の症状(間欠性跛行など)や排尿・排便障害などが生じたりしたら、病気が進行してしまっていることを意味します。
例えば、次のような状態は、脊柱管狭窄症が進行してきていることをさします。
・仰向けになっても足のしびれが出る
・どの姿勢をとっても痛みやしびれなどが生じる
・横にして背中を丸めないと眠れなくなる
・排尿・排便障害が現れる
・歩ける時間が短くなる
・筋力が著しく低下する
「痛みがそんなに強くないからいい」というように放置していたら、脊柱管狭窄症が進行していき、日常生活に支障が出て、外科的手術をしても回復が思わしくない場合が多いです。
脊柱管狭窄症の予防方法
脊柱管狭窄症を予防するには、運動習慣を身につける、正しい姿勢を意識する、腰への負担を減らすことなどが重要です。
正しい姿勢を意識する
日常生活での姿勢に注意しながら、背中の負担を減らしましょう。
腰を反らした姿勢は脊柱管狭窄症の症状を悪化させるため、避けましょう。
座る際は骨盤を立てて背筋を伸ばした姿勢が良いです。
歩く時は、骨盤の真ん中にある仙骨を意識すれば歩きやすくなります。
運動の習慣
ウォーキング、水泳、サイクリングなどの低負荷の運動から始めると良いです。
脊柱管狭窄症の予防には、脊柱を安定させる筋肉(特に腰周辺の筋肉)を鍛える運動が効果的です。
日常生活で腰への負担を減らす
長時間同じ姿勢を避けると良いです。重いものを持ち上げる時は、腰を曲げずに膝を曲げて持ち上げるようにしましょう。
当院の治療:フローレンス法・Qフローレンス法
脊柱管狭窄症に対してはフローレンス法・Qフローレンス法を行っています。
フローレンス法とQフローレンス法は、脊柱管狭窄症に対して行える、リスクの少ない低侵襲治療です。
部分麻酔と鎮静下で経皮的にデバイスを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。
デバイスを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛みが解消されます。
フローレンス法及びQフローレンス法は、低侵襲でリスクの少ない治療であるため、治療後の合併症や症状の再発に関する報告がありません。

脊柱管狭窄症でお悩みの方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。