治療症例紹介・コラム

Colum 【現役外科医師監修】PLDDとは。どんな方に向く術法なの?具体的に何をやるの?そんな疑問を解消します!

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様々ある椎間板ヘルニアの治療。

保存療法もあれば、ヘルニアを摘出する外科的手術もあり、近年はヘルニアのある椎間板にアプローチする椎間板治療もあります。

今回は椎間板治療の一つであるPLDD(レーザー治療)に関して解説します。

PLDDとは

PLDDとは、Percutaneous Laser Disc Decompression(経皮的レーザー椎間板減圧術)の略で、椎間板ヘルニアの原因である椎間板内の圧力上昇に対しての圧力を下げるレーザー治療です。

PLDDの歴史は古く、この治療が1980年代より行われています。日本でも多くの患者様が治療を受けられています。

PLDDの対象は椎間板ヘルニアのみで、椎間板が潰れてすり減っているような場合は治療が適応できません。

PLDDの術式

PLDD法は、局所麻酔下で行われます。X線透視装置を使用しながら、背中から椎間板内に1mmの穿刺針を留置します。刺した針にレーザーファイバーを通して、椎間板の中にある髄核の一部をレーザーで焼灼します。それで髄核に空洞ができ、椎間板が収縮します。効果として神経の圧迫が軽減でき、痛みや痺れが改善されます。

PLDDのメリットとデメリット

PLDDのメリット

・椎間板ヘルニアだけでなく、非特異的腰痛に対しても効果があります

・MED法やLOVE法より、患者様への身体の負担が少ないです

・施術時間も15分程度で、日帰りで治療が受けられます

PLDDのデメリット

・全てのヘルニアに対して有効ではありません

・健康保険は適応外です

・再発率は5%で割と高いです *1

*1 参照元:Daniel S.J. Choy, et al. Twenty-three years of percutaneous laser disc decompression (PLDD) – State of the art and future prospects. Medical Laser Application. Volume 24, Issue 3, 2009.

再発率を下げたいという方に

前述したように、レーザー治療は再発率が高いです。研究では、PLDD治療後に12.5%の患者が外科的手術を受けたという報告もあります。*2

その理由は、椎間板ヘルニアによる症状を抑えるが、椎間板自体の修復ができないからです。

*2 参照元:Masoud Hashemi, et al. The Long-term Effects of Percutaneous Laser Disc Decompression (PLDD) Treatment on Lumbar Disc Protrusion: A 2-Year Follow-up. Journal Of Lasers in Medical Sciences. 11(4), 2020.

再発率を下げるためには損傷している椎間板を修復する必要があります。それができるのは、セルゲル法です。

セルゲル法

セルゲル法は損傷した椎間板を修復する治療です。

椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、更なる椎間板の変性を防ぎ、根本的な治療となり得ます。

椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

セルゲル法は腰部の椎間板変性にも頚部の椎間板変性にも適応されます。

腰痛でお悩みのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

この記事の執筆者

整形外科医 簑輪 忠明

所属学会・資格
 日本腰痛学会
 日本内視鏡外科学会
 日本医師会認定産業医
 日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
 セルゲル法 認定医
 オゾン治療 認定医
 フローレンス法 認定医