日本では約3000万人が腰痛で悩んでいると言われています。
腰痛は急性腰痛と慢性腰痛の二つに分けられています。急性の腰痛は、痛みが発生してから4週間以内に痛みがおさまる腰痛のことを言い、症状として、急な痛みが腰を激しく襲い、代表的な症状として「ぎっくり腰」があります。それに対して、慢性的な腰痛は毎日の腰への疲れが蓄積しており、筋肉が緊張して張ったり凝ったりして、重く鈍い痛みがじわじわと長期間続く傾向があります。急性期とは異なり、急に痛みがおさまる、完治することはありません。
今回は、慢性的な腰痛の治療法についてご紹介します。
慢性的な腰痛とは
慢性腰痛では椎間板変性を伴う場合が多いです。
腰椎背骨の間にある椎間板は、加齢や負荷がかかり続けることで本来の形を保てなくなって変形が始まり、椎間板の機能が低下し、痛みなどの症状を引き起こします。これは椎間板変性症といいます。
椎間板変性が起きると、椎間板がひび割れして中の髄核が外に漏れ出し、炎症が起こります。これは椎間板ヘルニアと呼ばれ、腰痛だけでなくお尻や足の痛み、しびれなどの症状が出てきます。
また椎間板の変性や劣化により、椎間板の安定が悪くなると、腰を支えるために骨棘が形成されて、脊柱管を圧迫し、間欠性跛行などの脊柱管狭窄症の症状が出てくることもあります。
このように、椎間板が老化して変性していくことで、様々な腰痛を引き起こすこととなります。
症状別の治療方法
椎間板変性症の症状―薬物療法・理学療法などの保存治療
腰の痛みのみがある場合は、痛みを和らげる薬服用の薬物療法、温熱療法、神経ブロックで対応することが多いです。
また、慢性的な腰痛は、体を動かさないと、日常生活に支障がでるばかりではなく、筋力低下や精神的ストレスによる原因から腰痛が増強するという悪循環を繰り返すこととなります。そのため、ストレッチや体操を継続的に行い、筋肉をほぐし、腰部に負荷がかかる姿勢の改善や体幹筋・骨盤周囲筋の筋力向上を図ることが重要です。
椎間板ヘルニアの症状―神経ブロック、PLDD、外科的手術など
腰部の痛みに加えて、臀部や足の痛み・しびれの症状もある場合は、椎間板ヘルニアが発生していると疑えます。その場合は、神経ブロックで痛みを軽減することもありますが、多くの場合は、PLDD(レーザー治療)や、椎間板ヘルニア摘出術・LOVE法などの脊椎手術でヘルニアの部分を切除します。
脊柱管狭窄症の症状:腰部の痛み、臀部や足の痛み・しびれ、間欠性跛行など
歩行障害などの症状が生じている場合は、外科的手術が勧められていることが多いです。
脊柱管狭窄症の手術の多くは、全身麻酔にて行われ、腰椎の椎弓の一部をドリルで削り、神経を圧迫している黄靭帯や肥大している椎間関節を切除します。
当院の治療
上記のような治療方法は腰痛の根本的な原因である椎間板の亀裂を修復できません。
それに対し、当院で行われている「セルゲル法」では、椎間板の損傷を修復することができます。
セルゲル法はフランスで開発され、ヨーロッパを中心にすでに世界54カ国以上で導入されています。この治療では椎間板の劣化した部分に薬剤を注入し、それがゲル化してひび割れを修復します。ディスコジェルは水分を吸収するため、椎間板の中の圧力が下がり、外に出たヘルニアを減退させる働きもあります。ジェルがインプラントとして椎間板内に留まることでクッション機能として作用し、髄核成分が外へ漏れ出るのを防ぎます。これにより椎間板自体が自身の再生能力によって元の正常な機能を回復すると考えられています。
椎間板ヘルニアなどの診断を受けて、慢性的な腰痛でお悩みのある方は、
是非一度当院で診察を受けることをご検討ください。