治療症例紹介・コラム

Colum 【当院紹介コラム⑧】フローレンス法とQフローレンス法 ~脊柱管狭窄症・すべり症の新たな治療法~

今回は当院での新しい治療法のフローレンス法とQフローレンス法のお話をしていきます。

前回記事はこちら→当日治療の流れ

ILC国際腰痛クリニックとは

2024年9月1日に開院した腰痛の根本原因治療に特化したクリニック。東京都港区。JR品川駅から徒歩7分。

2024年4月1日に新たに大阪にも分院を開設。新大阪駅より徒歩5分。

脊柱管狭窄症の症状・治療法について

今までは椎間板の変性による治療としてセルゲル法を紹介してきました。
今回は、脊柱管狭窄症の新たな治療法を説明していきますね。

脊柱管狭窄症といえば、背中の神経が狭くなって痛みやしびれが起こる事ですよね?

そうですね。
変形した骨や靱帯によって脊柱管が狭くなり、神経支配領域(腰や下肢)の部分に痛みやしびれの症状が出てきます。
また、間欠性跛行といい長時間歩けなくなり途中で休憩を挟みながら歩行する症状も有名ですね。

一般的なMRI画像になります

脊柱管狭窄症のMRI

正常な画像と見比べると、脊柱管が狭くなっているのが分かると思います。

脊柱管が狭くなることにより、痛み・しびれなどの症状を引き起こしていきます。

辛い症状が多いんですね。
脊柱管狭窄症の治療法はどんなのがあるんですか?

従来の治療法だと、薬やリハビリ、ブロック注射などの対症療法から始まり、排尿障害・排便障害が起きてしまうなど症状が重度化してくると固定術や除圧術などの外科的治療の流れになります。

治療の流れとしては、椎間板変性や椎間板ヘルニアと同じでまずは対症療法からになるんですね。

そうですね、骨折や怪我など明らかな原因が判明している時はそれに合わせた治療を施せますが、腰痛は様々な原因がある為すぐに手術しましょうとはなりづらいですね。
その為、まずは痛みを和らげるために痛み止めを処方することが多いですね。

なるほど、だから近所の病院で腰が痛いっていうと痛み止めや湿布を出されて終わってしまうんですね。
ところで、フローレンスとQフローレンスって何者なんですか?

フローレンス法とQフローレンス法の治療の流れ

当院の新しい治療法[フローレンス・Qフローレンス法]は、対症療法と外科的治療の間のイメージになります。
痛み止めやリハビリをしているが中々良くならない、けど手術まではしたくない患者様のニーズにお応えした感じですね。

なるほど、中間の位置の治療法なんですね。
どんな風に治療するんですか?

全身麻酔は使用せず、鎮静状態で治療をします。
全身麻酔が出来ず固定術など出来ない方でも行える治療となります。

鎮静とは

意識を部分的または完全になくし、患者様の不安や痛みを取り除いた状態になります。

鎮静が浅いと気分的には眠る前のウトウトした状態が続くような感じです。

鎮静が深くなると全身麻酔のように痛みを感じなくなります。

体の側面に2~3cm切開しそこからインプラントを挿入し棘突起間に留置する流れとなります。
体の側面から挿入するため、従来の固定術に比べて正常な組織の破壊を低減することが出来ます。

イメージ図は以下のようになります。

棘突起間の棘間靱帯にインプラントを留置します。

棘間靱帯のみ通過する為、固定術では傷付いてしまう棘上靱帯を温存することが出来ます。

横から入れて骨の間にインプラントを入れるんですね!

横から挿入することにより出来るだけ正常な組織を温存しています。
入れるインプラントによってフローレンス法、Qフローレンス法になります。

なるほど、なんでインプラントを入れることによって症状が改善するんですか?

フローレンス法とは脊柱管周囲の空間を広げる

フローレンス法とQフローレンス法で治療の手順は大まかには一緒なのですが治療効果は異なるので1つずつ説明しますね。

まずは、フローレンス法から説明しますね。

インプラントを棘突起間に入れることによって上の椎体が少しあがります。
この少し上がる状態が前傾姿勢と同じ状態になります。
皆さん腰が痛いときに反るよりも曲げた方が楽になることが多くないですか?

確かに・・・ありますね。

前傾姿勢になることによって脊柱管の周りの空間が広がることにより楽になります。
インプラントを入れることにより前傾姿勢と同じ状態を作り症状が緩和するということになります。

なるほど、インプラントを入れることによって楽な状態を作り出すってことですね!

空間が広がる作用がある為、対応疾患とはしては黄色靱帯肥厚・軽度のすべり症による脊柱管狭窄症になります。
フローレンス法は、固定術と比べると動きの制限は少なくなることもメリットになりますね。

なるほど、動きの制限が少ないと脊柱管狭窄症の方にとって良い治療に感じますね。

その点がメリットでありデメリットにもなってしまうのです。
動きの制限が少ないということは固定する力は固定術より劣るということになります。

固定する力が弱いということはインプラントが動いてしまうという事ですか?

そういうことになります。前傾や後屈などで腰椎が大きく動いてしまう患者様や、すべりが大きい患者様など、腰椎不安定症の方には不向きになってしまいます。
そして、その欠点を補うためにQフローレンス法があります。

腰椎不安定症とは

腰椎のバランスが崩れている状態になります。例としては以下のようなレントゲンの状態になります。

正常

腰椎が前方または後方に滑っている状態

腰椎の並びが歪んでいる状態

Qフローレンス法は、腰椎の不安定を解消

Qフローレンス法は、フローレンス法に比べると固定する力が上がります。よって固定術に近い効果になります。
動きによって椎体が動き脊柱管狭窄を起きることを防ぎます。
棘間靱帯にインプラントを入れますので少しだけ空間は広がることによって黄色靱帯肥厚が併発してても効果が出ます。

なにで脊柱管が狭窄しているかによって入れるインプラントを変えているってことですね!

そういうことになります。
MRIやレントゲン、診察によって症状が出る状態の把握を行い、それに見合った治療法を提案しています。

脊柱管狭窄症といっても様々な原因があるんですね。

そうなんですよ。
骨が原因の脊柱管狭窄症ですと、この治療法でも良い効果が出ないんです。。。

全てには対応できないんですね。

申し訳ないですが、そういうことになります。
ただ、手術をしたくない・出来ない患者様に対しての新たな治療法としてお手伝いできればと思います。
脊柱管狭窄症や間欠性跛行でお悩みの方がいらっしゃいましたら、お気軽に
TEL:03-6712-3520までご連絡してください。