治療症例紹介・コラム

Colum 反り腰とは?腰痛や心身の不調につながる反り腰の原因やチェック方法、反り腰を改善する方法をご紹介

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腰は過剰に反っていると、腰痛をはじめとする体の不調の原因となります。

今回は、反り腰の原因、チェック方法、改善方法に関してご紹介します。

反り腰とは

反り腰とは、腰が反った状態を指します。専門的に言えば、「骨盤前傾」のことであり、骨盤が前傾へ倒れ、坐骨が後ろに出っ張っていることをいいます。

反り腰のチェック方法

反り腰の可能性があるかどうかは、自分でチェックできます。

確認方法は二つあります。

立って確認する場合

壁に頭、背中、お尻をつけて立って、壁と腰の隙間に手を入れます。手のひらが入るぐらいわずかの隙間しかない場合は、反り腰の可能性が低いです。他方、隙間が大きい場合は反り腰の可能性が高いと言えます。

仰向けになって確認する場合

床に仰向けに寝て、腰と床の間に手を入れてみます。手のひらが入るぐらいのわずかな隙間しかない場合は背骨が正常と判断できます。隙間が大きければ大きいほど、反り腰の可能性が高くなります。

また、仰向けの状態で足を伸ばして、腰の違和感や痛みが増してくる場合は、反り腰が高いと言えます。膝を立てるときと比べて、足を伸ばした状態の方が違和感・痛みが強ければ強いほど、反り腰が進行していると判断できます。

反り腰の原因

反り腰の原因は様々です。

筋肉のバランスの崩れ

基本的に、反り腰は腰の反りを強くする筋肉が過剰に働くことで起こります。また、お腹の筋肉が弱くなってしまうことも、反り腰につながります。

腰部と腹部の筋肉のバランスが相互に崩れてしまうことは反り腰の原因の一つです。

股関節の前傾が硬くなっている

股関節の前側には腸腰筋(ちょうようきん)や大腿直筋(だいたいちょっきん)と呼ばれる筋肉があります。この筋肉が縮んで硬くなると、骨盤の前傾が強くなります。骨盤の前傾が強くなると、腰椎の前弯も強まり、反り腰になりやすくなります。

体重の増加

体重が増加すると、お腹が出てしまい、重心が前にかかってしまいます。その結果、立っている姿勢で身体が前方に傾いてしまいます。お腹の重みを支えて前方に傾いた姿勢を正すためには、腰を反らせた姿勢になり、結果的に反り腰になってしまいます。

ヒールの高い靴を使用

ヒールの高い靴を履くとつま先に体重がかかりやすくなります。そのため、重心が前に傾きます。傾いた重心を後ろに戻そうとすることで、反り腰になる可能性があります。

反り腰が引き起こす症状・病気

反り腰は様々な不調の原因となります。

慢性的な腰痛

腰を反らす筋肉が過剰に働いてしまい、硬くなってしまうと、血流が低下し、腰痛が発生します。仕事などで不良姿勢が続くことで、慢性的な腰痛になりやすくなります。

腰部脊柱管狭窄症

腰椎の前弯が強くなると、腰にある脊柱管が狭くなります。その結果、腰の神経を圧迫してしまい、足のしびれや痛みが発生します。足の力が入りづらかったり、長い距離を歩けなくなったりする(間欠性跛行)といった症状が出ます。

梨状筋症候群、坐骨神経痛

反り腰になり、骨盤が前に傾くと、梨状筋と呼ばれる筋肉が通常位置より引き伸ばされてしまいます。

梨状筋の下にあるのが坐骨神経であり、引き伸ばされた梨状筋によって坐骨神経が圧迫され、お尻や足の痛みや痺れが発生します。

腰椎分離症

体の硬さや腹筋などの筋力不足で、反り腰が続くと腰椎へのストレスが強まり、腰椎分離症のリスクが高まります。

反り腰の改善方法

反り腰を改善するためには、日常生活の動作の改善から始めましょう。

正しい座り方を意識する

座る時は、前かがみになったり、背もたれに深く腰かけたりすると、背骨に歪みが生じやすくなります。骨盤を立てて、上から引っ張られているような状態をイメージし、自然に身体を支えるようにします。正しく座ることが不調の改善につながります。

また、普段座っている椅子なども見直してみましょう。

正しい立ち方を意識する

正しい座り方と同じく、正しい立ち方も大事です。顎を引き、肩の力を抜き、お腹を引っ込め、お尻を締めることで重心がくるぶしの前ぐらいにくるように意識します。

正しい立ち方を維持するには、ある程度の筋力が必要です。日頃から筋肉トレーニングを取り入れ、筋力アップを心がけましょう。

なるべくヒールの高い靴を履かない

長時間ヒールを履くことは、つま先立ちの状態が続き、腰への負担がかかります。反り腰がある場合は、ヒールなどは避けた方が良いです。

どうしてもヒールを履かなければいけない時は、途中にラクな靴などで過ごす時間も入れて、足や腰への負担を軽減しておきましょう。

ストレッチをする

骨のゆがみや筋肉のこわばりなどがあると、姿勢にも影響を与えます。ストレッチで全身をゆるめ、背骨や骨盤を正しい位置に保てるようにしましょう。

・両ひざを抱えるストレッチ

このストレッチを行うことで、腰を反りすぎない姿勢になり、また、背骨を支える筋肉や臀部の筋肉の伸びを良くすることができます。

1.仰向けになり、両手で両ひざを抱える。

2.息を吐きながら10秒間、抱えたひざを胸に近づける。

ひざを胸に近づける際には、なるべくお尻を床から離すようにしてください。

・太ももの前側のストレッチ

太ももの前側の筋肉は骨盤から膝へと延びています。この筋肉が緊張すると、骨盤が前傾し、骨盤に引っ張られて腰が反ってしまいます。

太ももの前側の筋肉を伸ばして、腰の負担を軽減するストレッチをしましょう。

1.身体を横向けにして床に寝る。

2.上側にある足首を、上側にある手で持ち、かかとを臀部に引き付ける。

 ※この時は腰が反らないように注意しましょう。

3.太ももの前側の筋肉に伸びを感じたら、30秒キープして深呼吸する。

4.反対側も同様に行う。

1日3回を目安に行いましょう。

・ドローイング

椎骨を支える筋肉として、天然のコルセットと呼ばれる腹横筋があります。

1.仰向けになり両膝を立てる

2.腹式呼吸の要領で、息を大きく吸ったり吐いたりする

3.息を吐くときに合わせて、お腹をへこませる。

息を吐くときは口をすぼめるようにして、ゆっくり長く吐くようにしましょう。

10回程度繰り返します。

当院の治療

腰の痛みがある際は、根本的な治療も必要な場合があります。

当院は、損傷した椎間板を修復する治療、セルゲル法を行っております。

当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

腰痛でお悩みの方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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