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すべり症の症状別対策法

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腰椎変性すべり症は、10~15%の有病率が報告されており、腰部椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症と並ぶ、頻度の高い疾患です。

今回は、すべり症の症状別の対策方法について解説します。

すべり症とは

腰椎すべり症とは、腰の部分で椎骨が正常な位置からずれた状態をいいます。

すべり症の重症度

腰椎すべり症は、下位椎体のすべりの度合いにより、4グレードに分類されています。

・グレード1:0~25%

・グレード2:25~50%

・グレード3:50~75%

・グレード4:75~100%

すべり症の症状と対策

軽度の場合

軽度の腰椎すべり症では無症状であることもあります。

軽度すべり症の主な症状は、腰痛、下肢の軽いしびれ・違和感です。また、長時間立ったり歩いたりすると、腰に疲労を感じやすいです。

軽度のすべり症の対策として、正しい姿勢の保持、ウォーキングなどの適度な運動、体幹の筋力強化やストレッチが挙げられます。長時間の姿勢を避けて、また腰を冷やさないことも大切です。

中等度の場合

中等度のすべり症となれば、主な症状として腰痛、下肢の痛みとしびれ、筋力低下、歩行困難があります。下肢の症状は歩行中に悪化して休むと和らぐことがあります。歩行できる距離も制限されてきます。

症状の度合いにより、保存療法で対処可能なこともあります。背筋の負担を軽減するためにコルセットを着用します。痛みが強い場合は、消炎鎮痛剤やブロック注射などで症状の軽減も図ります。また、リハビリにてストレッチや腹筋を中心とした腰まわりの筋力トレーニングなどを行うこともあります。

保存療法で症状が改善せず長期化している場合は外科的手術が提案されます。

重度の場合

腰椎のすべりが進行して、グレード3以上のすべり症の場合は、神経症状を併発することが多いです。腰痛に加えて、臀部や下肢の痛みやしびれ、また間欠性跛行が発生します。

腰を反らすと痛みが増したり、同じ姿勢を保つのが難しくなったりして、姿勢の制限もあります。

さらに重症化していけば、膀胱直腸障害が起こることもあります。

重度のすべり症の場合は、痛みが強い時に薬物療法で痛みの軽減を図ることがありますが、多くの場合は外科的手術(神経の圧迫を取り除く除圧術、背骨を固定する固定術)が勧められます。

当院の治療

当院は、すべり症に対してフローレンス法・Qフローレンス法を行われています。

フローレンス法とQフローレンス法は、リスクの少ない低侵襲治療です。

部分麻酔と鎮静下で経皮的にデバイスを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。

デバイスを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛みが解消されます。

すべり症と診断されたことのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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