治療症例紹介・コラム

Colum 再発率が低いって本当?フローレンス法と外科的手術の再発率の違いについて

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腰部脊柱管狭窄症に対する一般的な治療は外科的手術です。

当院では脊柱管狭窄症に対して先進的な治療・フローレンス法を行っております。

今回はフローレンス法と外科的手術の違いに関して解説します。

外科的手術:腰椎椎弓切除術と脊椎固定術

脊柱管狭窄症に対して行われる手術は、腰椎椎弓切除術と脊椎固定術が一般的です。

腰椎椎弓切除術は全身麻酔にて、内視鏡を使用して行われ、背部の皮膚を4㎝程切開し、椎弓の一部や肥厚した黄色靭帯などを切除することにより、神経の圧迫がとれて、脊柱管を広げます。

脊椎固定術は全身麻酔にて、背部の皮膚を3~4㎝程度切開し、変性した椎間板を取り除いてから、ケージを入れて、椎骨をスクリューとロッドで固定します。腰椎椎弓切除術の後に行われる場合もあります。

外科的手術後の過ごし方

脊椎の外科的手術の場合は、1~2週間の入院期間が必要です。手術箇所が多ければ多いほど、入院期間が長くなります。

手術翌日から、ベッドから起き上がり、座るなどの動きの確認から始まり、術後経過が良ければ歩行練習や日常的な動作などになります。

術後の最初の2週間程度はコルセットを装着した上で簡単な動作の練習となります。

その後は、デスクワークや車の運転ができるようになります。

重労働は手術して2か月後にならないと厳しく、また自転車乗りや走る動作は手術3か月後から始めて良いです。

スポーツも、体をぶつけたり転んだりするような激しいスポーツ以外は術後3か月後からしていただいて大丈夫です。

フローレンス法とは

フローレンス法は、脊柱管狭窄症に対して行える、リスクの少ない低侵襲治療です。局所麻酔と鎮静下で経皮的にスペーサーを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。

スペーサーを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛み・しびれなどの症状が解消されます。

フローレンス法後の過ごし方

フローレンス法は入院が必要なく、日帰りで受けられます。

治療後は2~3時間安静にした後、歩くことが可能で、治療当日に退院します。

翌日から日常生活が可能ですが、車の運転は1週間後、座り仕事は2週間後に開始するようお勧めです。

治療2週間後は軽い運動が可能になります。ウェイトトレーニングは3ヶ月後から可能となります。

フローレンス法と外科的手術の再発率

外科的手術の再発率

脊柱管狭窄症の外科的手術後、2年以内に8%の症例で再手術、10年以内に23%の症例で再手術が必要となると報告されています。*1

再手術の最も多い原因は、手術高位での再狭窄や除圧不足、また椎間孔の狭窄が挙げられています。*2

*1 参照元:James N. Weinstein, et al. Surgical versus Nonsurgical Therapy for Lumbar Spinal Stenosis. The New-England Medical Review and Journal, 358(8), 2008. Steven J Atlas, et al. Long-Term Outcomes of Surgical and Nonsurgical Management of Lumbar Spinal Stenosis: 8 to 10 Year Results from the Maine Lumbar Spine Study. Spine, 30(8), 2005.

*2 参照元:森本貴昭他「腰部脊柱管狭窄症再手術例の検討」『脳神経外科ジャーナル』第22巻12号、2013年。

前述したように、外科的手術で骨を削ったり靭帯を切除したりするため、靭帯や筋肉などの損傷や骨の損傷のリスクが高いため、手術後に症状の再発率が高いです。

フローレンス法の再発率

フローレンス法はリスクの少ない局所麻酔で行われ、また皮膚の切開が1~2㎝程度で済む経皮的な施術であるため、靭帯や筋肉などの損傷がありません。そのため、再発率も極めて低いとされています。世界中の医療施設でフローレンス法の治療に関する研究結果では、治療後の合併症の報告がありません。*3

*3 参照元:Luca Jacopo Pavan, et al. Clinical and radiological outcomes following insertion of a novel removable percutaneous interspinous process spacer: an initial experience. Spinal Neuroradiology. 64(9), 2022. Stefano Marcia, et al. Feasibility, safety, and efficacy of a new percutaneous interspinous device: a retrospective multicenter study. Neuroradiology. 2024.

脊柱管狭窄症と診断され、腰痛や間欠性跛行でお悩みのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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