誰しもが一度聞いたことのある症状、坐骨神経痛。
坐骨神経痛とは腰から足にかけて伸びる人体の中で一番太い神経が圧迫や刺激を受けることにより現われる症状のことを指します。腰から下の臀部や太ももに症状が現れることが多く、ふくらはぎ、足先などに鋭く電気が走ったような痛みや痺れ、ふくらはぎの張り、冷感・灼熱感、足のだるさなどがあります。
坐骨神経痛を伴う脊椎疾患がたくさんありますが、最も多いのは椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症です。
ここでは坐骨神経痛の手術やその費用に関してご紹介します。
座骨神経痛は何科を受診すればよい?
座骨神経痛は、整形外科を受診するのが一般的です。
他では、ペインクリニック、神経内科、脳神経外科を受診するケースもあるようです。
保険診療と自費診療のメリット・デメリット
手術は、医療機関によりますが、保険診療と自費診療で受けられます。
保険診療
保険診療は、健康保険に加入していれば、患者様の負担額が治療費の1~3割となります。
ただし、多くの場合はMRIなどの必要な検査が同日に撮影できなかったり、手術までの期間が長かったり、手術時に使用できる機器や医療材料に制限があることなどがデメリットとしてあげることができます。
自費診療
自費診療は、治療費の全額(10割)を患者様が負担します。費用面はデメリットですが、保険診療と違い、MRI検査と実際の手術までの期間が短くなり、幅広い器具を使用でき、より低侵襲の手術が受けられるため、メリットは少なくありません。治療法によっては、自費診療ですと、入院なし、また手術後の安静期間を短縮できる場合もあります。
坐骨神経痛の主な手術とその費用
坐骨神経痛を伴う主な疾患は椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症であり、ここでは椎間板ヘルニアと脊柱管狭窄症の主な手術に関して述べます。
手術費用は治療個所や医療機関によって異なっていますが、以下は日本の医療機関で行われる1か所あたりの手術費用をまとめました。
※入院が必要な手術の場合は、治療費だけでなく、入院費用(入院基本料、食事代、など)もかかります。全てを合わせると、100万円以上になる場合もあります。
内視鏡下腰椎椎間板摘出術(MED法)
椎間板ヘルニアの最もスタンダードと言われている手術です。
全身麻酔にて背部を16mm程切開し、外筒管と内視鏡を挿入して、内視鏡にて突出したヘルニア部分を確認して切除します。
保険診療
入院期間:1~2週間
費用:231,000~300,000円(3割負担)+入院費用
経皮的内視鏡下腰椎椎間板摘出術(PELD法)
局所麻酔で背中から操作管と呼ばれる管を挿入し、内視鏡を通してヘルニア部分を確認して摘出します。
保険診療
入院期間:2日間~1週間
費用:150,000~200,000円(3割負担)
内視鏡下腰椎椎弓切除術
全身麻酔にて、背部を18~20mm程皮膚を切開し、内視鏡の管を通してから、椎弓の一部や肥厚した黄色靭帯を切除することにより神経の圧迫を取り除き、脊柱管を広げます。
保険診療
入院期間:1週間程度
費用:140,000~300,000円(3割負担)
内視鏡下腰椎椎体間固定術
内視鏡とX線透視装置を使用して椎体間を固定します。
全身麻酔にて、背部の皮膚を切開し、変性した椎間板を取り除いて、腰骨から採取した骨を詰めたケージという人工物を入れて、脊椎を整形します。その後、スクリューとロッドで椎骨を固定します。
保険診療
入院期間:1~2週間
費用:600,000~850,000円(3割負担)
当院の治療:椎間板を修復する治療―セルゲル法
当院は、坐骨神経痛を伴う椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などに対してセルゲル法を行っております。近年研究・開発されてきた先進治療方法の一つであり、エビデンスがしっかりしている新しい治療法です。
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症は、椎間板がひび割れることで中心成分が飛び出し、その飛び出した部分が脊柱管を狭くすることで起こります。椎間板のひび割れは修復できていなければ、再度ヘルニアが発生したり、再度脊柱管が狭くなったりしてしまう可能性があります。
セルゲル法は、他の治療法では不可能であった「椎間板の修復」が可能なため、根治的治療になりえます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。
入院期間は半日のみで、治療当日に歩いてご帰宅できます。
セルゲル法は、自費診療であり、椎間板1か所で1,320,000円(10割負担)がかかります。
坐骨神経痛でお悩みの方、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症と診断されたことのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。