「脊椎分離症・すべり症」と診断されたら?治療法と日常生活の注意点
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若い世代に多いのは腰椎分離症です。
加齢とともに発症リスクが増えるのは腰椎すべり症です。
今回は、この二つの疾患の特徴と治療に関して解説します。

若い世代に多い腰椎分離症
若い世代(特に中学生や高校生)はスポーツなどで腰の骨に繰り返し負担がかかり、腰椎分離症になることが多いです。
初期段階で発見して運動を休止すれば骨がくっつく可能性もありますが、放置すると骨がくっつかない「偽関節」となり、将来の慢性的な腰痛につながる恐れがあります。

腰椎分離症の主な原因
分離症・分離すべり症の原因としては、股関節の柔軟性低下、股関節の筋力低下、腰を反る動きやひねる動きの繰り返し、ジャンプからの着地などの運動の繰り返しが考えられています。
サッカー・陸上・野球・バスケットボール・バレーボールなどのスポーツをやっている青少年の場合は、腰痛の原因の一つとされています。
腰椎分離症の症状
分離症の主な症状は、腰痛ですが、下記の特徴があります。
☑安静にしていると痛みが和らぐ
☑腰の片側や、お尻から太ももにかけて鈍い痛みがある
☑早期の段階では「ただの筋肉痛」と勘違いしやすい
☑痛みが2週間以上続く
腰椎分離症の対処法
初期であれば、数ヶ月間スポーツを休み、コルセットなどを装着して骨をくっつけるようにします。
痛みが引いた後、腰周辺の筋肉を鍛えるためにリハビリを行うことが大切です。
2週間以上続く腰痛がある時は、無理をさせず、早めに専門医に診てもらいましょう。
痛みを我慢して運動を続けると、骨が完全に離れてしまい、腰痛が慢性化になったり、すべり症に進行したりすることがありますので、要注意です。
加齢とともに増える腰椎すべり症
加齢とともに腰椎変性すべり症の発症が増えています。
腰椎すべり症は、背骨(腰椎)をつなぐ椎間板や靭帯、関節が衰えて不安定になり、上の骨がずれて神経を圧迫します。特に40〜50代以降の女性に多く発症します。

腰椎すべり症の主な症状
軽度の腰椎すべり症では無症状であることも多く、症状が出現するようになってから検査を受けて、腰椎すべり症が進行してしまっている場合が少なくありません。
腰椎すべり症の主な症状は、腰痛、臀部や下肢の痛みとしびれです。症状の出現は、すべりの不安定性の程度、椎間あるいは分離部の変性の程度、神経圧迫の部位や程度などによります。
すべり症のよくある症状の一つは、歩行中に現れる臀部や下肢のしびれ・痛みです。少し休憩をすると再び歩けるようになる間欠性跛行が多くみられます。
変性すべり症は脊柱管狭窄症を伴うことが多く、下肢痛やしびれ、間欠性跛行、排尿障害などの狭窄症の症状がみられます。
腰椎すべり症の原因
すべり症は、若いころからスポーツ等をして、加齢とともに椎間板や靭帯・関節などの腰椎を固定している組織が変性を起こし、それに伴って腰椎の安定性が失われることで起こることが多いです。
最近の研究では、椎間板変性がすべり症を引き起こす要因とされております。(※参照元:I. Akkawi, H. Zmerly. Degenerative Spondylolisthesis: A Narrative Review. Acta Biomedica, vol. 92, No.6, 2021)
椎間板が変性することにより、背骨や椎間関節への負担がかかり、骨等が不安定となり、すべり症が引き起こされるのです。
腰椎すべり症の治療
すべり症と診断されたら、まずは保存療法で治療を行います。保存療法で症状が改善せず長期化している場合には、外科手術を提案されることが多いです。
消炎鎮痛薬や筋弛緩薬などを服用したり、電気や温熱療法で症状の出ている部位の筋肉に電気刺激を与えたりその辺を温めたり、原因となっている神経や部位に局所麻酔薬を投与したりして、症状の改善を図ります。
保存療法を行っても改善がない場合、筋力低下がある場合、形成不全性すべり症などでは外科的手術が行われます。全身麻酔にて、腰部を切開して、顕微鏡で確認しながら椎弓などを取り除いて、上下の椎体とスクリュー・ロッドなどを使って固定します。すべった腰椎を固定することで、不安定となっている背骨の安定を図ることができ、さらなるすべりを防ぐことができます。
腰椎分離症・すべり症で気を付けるポイント
腰椎分離症、腰椎すべり症と診断されたら、日常生活で気を付けることが重要です。
やってはいけない動作
腰を反らす・ひねる動作は、背骨や患部に強い負担がかかり、症状や椎体のズレを悪化させます。
無理なストレッチやマッサージも避けた方が良いです。
重いものの持ち上げなど、前かがみや中腰での作業は腰椎に大きな負荷を与えますので、控えるようにしましょう。
日常生活で気をつけるポイント
デスクワークや車の運転では、同じ姿勢を続けず、こまめに体勢を変えて腰への集中荷重を防ぎます。
椅子には深く腰掛け、猫背や反り腰にならないようお腹に軽く力を入れて、正しい姿勢を保ちましょう。
背骨を大きく動かさず、体幹を安定させるドローインやプランクなどの静的運動を取り入れるようにしましょう。
当院の治療
当院は、セルゲル法、フローレンス法、Qフローレンス法を行っております。
セルゲル法
セルゲル法は損傷した椎間板を修復する治療です。
椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、更なる椎間板の変性を防ぎ、根本的な治療となり得ます。
椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。
セルゲル法は腰部の椎間板変性にも頚部の椎間板変性にも適応されます。
フローレンス法
椎間板の変性が進んで、脊柱管狭窄症、すべり症なども併発している場合は、フローレンス法が適応されます。
特殊なスペーサーを腰椎の棘突起の間に入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛み・しびれなどの症状が解消されます。
Qフローレンス法
Qフローレンス法は、脊柱管狭窄症、すべり症、腰椎不安定症に対して行える、リスクの少ない低侵襲治療です。
経皮的に専用デバイスを挿入して、不安定となっている背骨を安定化させ、狭くなった脊柱管を広げてすべりを治せます。
また、当院と連携するOJウェルネスセンターにて東洋医学・アーユルヴェーダ医学のアプローチも取りいれて、様々な腰痛、幅広い年齢層の腰痛に対応しております。
腰痛でお悩みの方、分離症、すべり症と診断されたことのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。