治療症例紹介

腰の治療症例紹介・コラム

すべり症と長距離運転

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椎間関節と呼ばれる背骨の関節や、椎間板に異常が生じ、骨がずれてしまうことがあります。これは「すべり症」といいます。

腰椎すべり症となれば、腰痛、臀部痛、下肢の痛みとしびれなどの症状があらわれてきます。

このようなすべり症と診断されたら、長距離運転となった際に症状を悪化させる可能性があります。

今回は長距離運転の際の注意点について解説します。

すべり症で長距離運転時に注意が必要な理由

長距離運転は、デスクワークと同様に、長時間同じ姿勢が続きます。長時間同じ姿勢でいることは腰椎への負担を増大させて、症状悪化につながりやすくなります。

また、同じ姿勢が続くと、筋肉も硬くなり、血行が悪くなります。腰を支えるインナーマッスルがうまく働かなくなり、背骨の安定性が低下してしまいます。

長時間の運転は、路面からの振動も腰に負担をかけますので、腰痛が出やすいです。

腰痛を悪化させない対策

すべり症による腰痛を悪化させないためには、腰椎が前方にずれるのを防ぐような正しい姿勢を意識し、こまめに休憩を取ることが重要です。

腰に負担をかけない座り方

正しい運転姿勢

シートは背もたれを立てすぎず、腰との間にすき間ができないように調整し、肘が伸びきらない程度にシートを前に調整します。

腰へのサポート

腰と座席の間にクッションを挟むと、腰の負担を軽減できます。

こまめな休息

連続運転は避けた方がよいです。

60〜90分に一度は短い休憩をとり、車から降りて軽く体を動かすことがおすすめです。

休憩中には、腰を反らしたりひねったりしないように注意しましょう。負担の少ない軽いストレッチや体操を取り入れるのがおすすめです。

その他の注意事項

コルセットの利用

運転中にコルセットを装着することも、腰椎への負担を軽減できます。

水分補給

運転中の水分不足は、筋肉の硬直や血行不良の原因になりますので注意しましょう。

体を冷やさない

体が冷えると筋肉が緊張し、痛みを増強させる可能性があります。運転中に体が冷えないように工夫をしましょう。

当院の治療

セルゲル法

最近の研究では椎間板変性がすべり症を引き起こす要因とされております。※1

そのため、変性してしまった椎間板を修復しなければすべりの予防ができないと考えています。当院では、椎間板の変性が原因であるすべり症に対してセルゲル法を行っています。

当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

セルゲル法は、従来の手術と違い、切開をしない治療ですので、術後のリスクも少ないです。

※1 参照元:I. Akkawi, H. Zmerly. Degenerative Spondylolisthesis: A Narrative Review. Acta Biomedica, vol. 92, No.6, 2021.

フローレンス法・Qフローレンス法

フローレンス法とQフローレンス法は、リスクの少ない低侵襲治療です。

部分麻酔と鎮静下で経皮的にデバイスを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。

デバイスを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛みが解消されます。

すべり症と診断されたことのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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