治療症例紹介・コラム

Colum もう耐えられない!椎間板ヘルニアの痛み、しびれの応急処置

schedule

椎間板ヘルニアは最も多い脊椎疾患です。腰椎椎間板ヘルニアが発症すると、腰の痛みに臀部の痛み、足の痛みやしびれなどの症状が出ます。

今回は椎間板ヘルニアの痛みやしびれに対する応急処置に関して説明します。

椎間板ヘルニアとは

椎間板は、中にある髄核と、それを取り囲むような線維輪という組織により形成されています。

遺伝的要因、加齢、日常生活での負担などにより、線維輪に亀裂が生じ、髄核が外に飛び出して、椎間板が損傷してしまいます。このような状態は、椎間板ヘルニアといいます。腰部の椎間板にヘルニアが生じた場合は、腰部椎間板ヘルニアとなります。

椎間板ヘルニアが起こりやすいのは、第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板と、第5腰椎と仙骨の間にある椎間板です

椎間板ヘルニアの症状

腰部椎間板ヘルニアの主な症状は、腰痛、臀部や足の痛み・しびれです。腰部のヘルニアの代表的な症状には、坐骨神経痛(お尻から太ももの裏側の痛み)があります。

ヘルニアがどの椎間板にできているかによって、下肢の症状の位置が変わってきます。第4腰椎と第5腰椎の間にある椎間板の場合は、ふくらはぎの外側から足の親指にかけて痛み・しびれが発生しますが、第5腰椎と仙骨の間の椎間板ヘルニアの場合は、膝の後ろ側から足の裏側にかけての症状があります。

神経が非常に強く押されている場合には尿や便が出にくい、漏れてしまうという症状が出ることもあります。

腰部椎間板ヘルニアの場合、背中を伸ばしている時、寝ている時は痛みが楽になりますが、背中を丸めたり前かがみになったりする時は神経が圧迫されて痛みやしびれが強くなることがあります。

椎間板ヘルニアの症状は急性型と慢性型があります

腰椎椎間板ヘルニアの症状は、急性型と慢性型があります。

急性型は、重い荷物を急に持ち上げた時、くしゃみをした時などに起こります。痛みが強く歩けなくなる場合もありますが、徐々に症状は軽くなります。

治療をせずそのまま放っておくと、椎間板ヘルニアが進行していき、神経の圧迫がひどくなり、痛みなどは慢性的なものになってしまいます。

椎間板ヘルニアの痛み・しびれが起こった時の応急処理

椎間板ヘルニアの痛みやしびれに対しては、次のように対処法があります。

安静

痛みなどの症状が強い場合は、安静にして、サポーターやコルセットで腰を固定します。これでヘルニアによる神経圧迫が和らぎ、痛みなどが軽減します。

患部を冷やす

痛みのある腰の周囲に熱を感じている場合は炎症が起こっているのです。この時は椎間板ヘルニアの痛みを和らげるために、患部を冷やすのが効果的です。痛みのある部位は炎症がありますので、温めると炎症が悪化して痛みが増悪することもあります。症状が現れた最初の3日間はお風呂などを避けたりして患部を温めないようにしましょう。

内服薬

痛み止めの服用も椎間板ヘルニアの痛みやしびれを和らげます。

症状が消失するまで時間がかかる場合もありますので、長期間にて薬を服用することもあります。

持病がある場合は、内服薬に制限もある場合があり、必ず主治医と相談しましょう。

正しい姿勢を心がける

椎間板ヘルニアで痛みなどを感じる時は、姿勢に気を付けることで症状軽減が期待できます。長時間座る場合は、腰のあたりにクッションを入れて腰に負担をかけない姿勢を意識した方が良いです。定期的に立ったり少し歩いたりして、なるべく長時間座りっぱなしにならないようにしましょう。

ストレッチ

痛みなどの症状を軽減するためにはストレッチも有効です。

ストレッチを行う際は無理をせず、痛みが出ない範囲で行うのが大事です。ストレッチをした後に症状が強くなってしまった場合は専門医に相談するようにしましょう。

〇痛み緩和ストレッチ

1.床の上にうつぶせになり、両腕を顔の下において、3分ほどゆっくりと深呼吸を繰り返してリラックスをする

2.枕やクッションなどの柔らかいものを胸の下へ入れ、もたれかかるようにしながらさらに3分深呼吸をする

3.顔を起こし、肘を床につけて、上体を少々持ち上げた状態で3分深呼吸をする

4.腕に力をいれてゆっくりと肘を伸ばしていき、痛気持ち良いと思えるところまで少しずつ上体を上げていき、腰を反らす

※その体勢を5秒から10秒の間キープしたあと、3の体勢に戻す

※10回繰り返すようにしましょう。

〇寝たまま腰伸ばしストレッチ

1.床の上にあおむけで寝ころび、両膝を立てる

2.両手で両膝をつかみ、膝を上げてゆっくりと胸へ近づける

3.膝が胸に近づき腰が伸びていることを感じながら、6秒間深呼吸をする

4.膝から手を放し、1の体勢に戻る

※3回繰り返します。

〇ドローイング

腰痛の緩和には、体の深部にある腹横筋や多裂筋などのインナーマッスルを鍛えられるドローイングが有効です。

1.仰向けに横になり、膝を立てる

2.軽くあごを引いて背骨を長く伸ばす

3.鼻から息を吸い、体を動かさないようにしながら口から息を吐く

4.息を吐く時におへそを背中側に引き込み、さらに胸の方に持ち上げるように意識する

5.吸った時も、できるだけお腹をぽっこり出さないように気をつけて呼吸を胸で行う

※10回目安にして行いましょう。

椎間板ヘルニアの治療:セルゲル法

上記の対処法は椎間板ヘルニアの一時的な症状改善に効果的ですが、ヘルニアの原因である椎間板の損傷を治さなければ、いつかまた症状が出てしまいます。

当院は、損傷した椎間板を修復する治療、セルゲル法を行っております。

当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

椎間板ヘルニアと診断されて、腰痛・しびれなどでお悩みのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

関連記事