治療症例紹介・コラム

Colum すべり症にコルセットは効くの?効果的な使い方とおススメコルセット。

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椎間関節と呼ばれる背骨の関節や、椎間板に異常が生じ、骨がずれてしまうことがあります。これは「すべり症」といいます。

軽度の腰椎すべり症では無症状であることもありますが、すべり症の主な症状と言えば、腰痛、臀部や下肢の痛みとしびれ、間欠性跛行などがあります。

このようなすべり症と診断されたら、コルセットで対処している方も少なくないですが、今回はすべり症の際のコルセットの効果について説明します。

コルセットの種類

コルセットには、いくつか種類があります。

部位別の種類

装着する場所によっては、以下の3種類があります。

・胸腰仙椎装具:胸部から仙骨部まで固定されます

・腰仙椎装具:腰部と仙骨部が固定されます

・仙椎装具:仙骨部のみ固定されます

コルセットの高さが高く幅が広いほど、固定される範囲が広いです。

強度別の種類

強度によっては、3つに分類されています。

・硬性装具:プラスティックで使用者の体の輪郭にフィットしたもので、ギプスで採型して作製されます。固定力が高いですが、動きにくく感じます。

・半硬性装具:背部が金属の支柱で、腹部がナイロンメッシュキャンパスなどの軟性の素材で構成されています。体型の寸法を測定して作製することが多いです。

・軟性装具:ナイロンメッシュキャンバスや伸縮性の素材とマジックテープで構成されています。種類によっては金属支柱が一部使用されている装具もあります。体型の寸法を測定して作製することもあります。

一般的な腰部コルセットは、軟性装具を指すことが多いです。

軟性コルセットは、すべり症だけではなく、椎間板ヘルニアなどによる腰痛の場合にも使用されています。コルセットを巻くことにより、体幹の安定性が増し、症状の緩和が期待できます。

すべり症にコルセットが効くか?

すべり症と診断されたら、コルセット着用で背筋の負担を軽減し、症状を緩和させることがあります。

ただし、正しくコルセットを巻くことが大事です。間違った巻き方をしてしまうと、症状が増悪してしまうことがあります。

コルセットを付けるメリット

・腰にかかる負担を減らせる

コルセットを付けると、体幹が安定します。重い物を持つ時や中腰作業をする時などはコルセットが腰を守るのです。

・安心感がある

検査で「骨がずれてしまっている」と言われたら怖くなる方が多いですが、コルセットを着用すると安心感があり、精神的な部分でもメリットとなります。

コルセットを付けるデメリット

・体幹を支える筋力が低下する

コルセットを付け続けると、背筋や腹筋が弱ってきて、正常に働きにくくなってきます。

・背骨の柔軟性が低下する

コルセット着用によって、体幹の動き(ひねるなど)が制限され、硬くなってしまいます。そのようになると、コルセットを外した時でも体幹が固まってしまい、思うように動けなくなってしまい、腰椎がねじれて新たな痛みの原因になってしまいます。

・コルセットを外せなくなる

コルセットを付けることで安心感を得られますが、それと同時に外すのが不安になってしまい、外せなくなります。

コルセットの正しい巻き方

前述したように、コルセットを正しくつけることが重要です。

・コルセットの上部が臍あたりに、下部が骨盤の上部あたりになるように巻きます

・まずは内側にくる部分を引っ張りながら巻きます

・次に外側にくる部分を引っ張りながら巻きます

・最後にはテープを引っ張りながら巻きます

コルセットを巻く時は、お腹が苦しくならないように、息苦しくならないように気を付けましょう。

また、かぶれの原因になることもありますので、肌に直接に巻かないようにしましょう。

コルセット着用の注意点

コルセットを付ける際は、以下の点に注意してください。

コルセットを付けるのが、痛みが激しい場合、重いものを持ったり中腰作業があったりする場合だけにして、1日中着用しないようにしましょう。長時間コルセットを付けると、筋力が低下しまい、逆効果になってしまいます。

また、コルセットをきつく巻きすぎないようにも注意が必要です。きつめに巻いた方が効果的かと言えば、そうではなく、血行不良を起こす恐れがありますので、痛みが増してしまう場合があります。

当院の治療—セルゲル法

コルセットを付けるのは腰に負担を軽減させて症状を緩和させることができますが、根本的な治療を受けることも大切です。

最近の研究では椎間板変性がすべり症を引き起こす要因とされております。※1

そのため、変性してしまった椎間板を修復しなければすべりの予防ができないと考えています。当院では、椎間板の変性が原因であるすべり症に対してセルゲル法を行っています。

※1 参照元:I. Akkawi, H. Zmerly. Degenerative Spondylolisthesis: A Narrative Review. Acta Biomedica, vol. 92, No.6, 2021.

当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

セルゲル法は、従来の手術と違い、切開をしない治療ですので、術後のリスクも少ないです。

入院期間は半日のみで、治療当日に歩いてご帰宅できます。

腰痛でお悩みの方、すべり症と診断された方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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