治療症例紹介・コラム

Colum 腰椎すべり症になる原因とは?こんな生活の人は気を付けて!

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椎間関節と呼ばれる背骨の関節や、椎間板に異常が生じ、骨がずれてしまうことがあります。これは「すべり症」といいます。

すべり症の症状

軽度の腰椎すべり症では無症状であることもあり、症状が出現するようになってから検査を受けて、腰椎すべり症が進行してしまっている場合が少なくありません。

腰椎すべり症の主な症状は、腰痛、臀部や下肢の痛みとしびれです。症状の出現は、すべりの不安定性の程度、椎間あるいは分離部の変性の程度、神経圧迫の部位や程度などによります。

すべり症の原因

腰椎すべり症は、形成不全性すべり症、腰椎分離すべり症、腰椎変性すべり症に分けられます。これら種類によって、すべり症の原因が異なっています。

形成不全性すべり症

形成不全性すべり症は、の低形成など、生まれつき脊椎の発育に問題があるために起こりますが、その発症率は非常にまれです。

腰椎分離すべり症

腰椎分離すべり症は、腰椎分離のための力学的脆弱性と長期間かけて腰椎の変性が進むことによって起こります。

骨が成長する思春期に、陸上競技、体操やサッカーなど、腰に大きな負担のかかるスポーツを続けていると、椎間関節部にストレスがかかってしまい、その結果関節突起の疲労骨折が起こることがあります。

このような疲労骨折が重なる運動のために十分に治癒していないと、腰椎の分離を起こし、分離すべり症を発症します。

分離すべり症は、10代の子どもが腰痛になる最も一般的な理由の一つとなっています。

腰椎変性すべり症

長い間は腰椎変性すべり症の原因が不明のままとされていましたが、最近の研究では椎間板変性がすべり症を引き起こす要因とされております。※1

※1 参照元:I. Akkawi, H. Zmerly. Degenerative Spondylolisthesis: A Narrative Review. Acta Biomedica, vol. 92, No.6, 2021.

日常生活の負荷で、また加齢とともに椎間板などが変性していき、椎間板変性が進めば進むほど椎間関節や椎体も変性してしまい、その結果、腰椎が正常な位置からずれてしまいます。これは腰椎変性すべり症です。

椎間板変性から始まる変性プロセスは、腰部への外傷や遺伝的要因も関与する場合があります。

すべり症の治療

すべり症と診断されたら、まずは保存療法で治療を行います。保存療法で症状が改善せず長期化している場合には、外科手術を提案されることが多いです。

保存療法

症状が軽度である場合は、まず保存療法を行います。

保存治療の場合は、コルセットなどにより背筋の負担を軽減し、神経の負担を軽減させていきます。消炎鎮痛剤や、ブロック注射などで症状の軽減も図ります。

さらに、リハビリにてストレッチや腹筋を中心とした腰まわりの筋力トレーニングなどを行うこともあります。

外科的手術

保存療法で症状が改善せず長期化している場合や、痛みやしびれが悪化して生活の質の低下があった場合は、外科的手術が提案されます。

すべり症の手術は腰椎固定術や腰椎後方除圧術が一般的となっています。

・腰椎固定術

固定術は、神経を圧迫している部分を切除し、骨を移植して背骨を固定します。

全身麻酔にて、背中を約4~5cm切開し、症状が出ている側の椎間関節を切除して椎間板を摘出し、そこに患者本人の骨や骨バンクからの骨を移植して、上下の椎体と内固定材料(スクリュー、ロッドなど)を使って固定します。

すべった腰椎を固定することで、不安定となっている背骨の安定を図ることができ、さらなるすべりを防ぐことができます。

・腰椎後方除圧術

後方除圧術は、全身麻酔にて、腰部に約3cmを切開して、顕微鏡で確認しながら椎弓などを取り除き、脊柱管を広げていきます。

すべり症に対しては単独で行われる場合もあれば、固定術を併用することもあります。

除圧術では、骨が滑って神経が圧迫されている状態を改善させます。固定術を併用する場合は、背骨の安定も図ることができます。

当院の治療—セルゲル法

前述したように、最近の研究では椎間板変性がすべり症を引き起こす要因とされております。

そのため、変性してしまった椎間板を修復しなければすべりの予防ができないと考えています。当院では、椎間板の変性が原因であるすべり症に対してセルゲル法を行っています。

当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

セルゲル法は、従来の手術と違い、切開をしない治療ですので、術後のリスクも少ないです。

入院期間は半日のみで、治療当日に歩いてご帰宅できます。

腰痛でお悩みの方、すべり症と診断された方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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