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腰の治療症例紹介・コラム

すべり症と日常生活

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腰椎すべり症とは、腰の部分で椎骨が正常な位置からずれた状態をいいます。

すべり症があると、腰痛、臀部や下肢の痛み・しびれなどの症状が発生して、日常生活にも影響が出てしまいます。

今回はすべり症の方が日常生活で気を付けるべきことに関して解説します。

すべり症とは

腰椎すべり症とは、腰の部分で椎骨が正常な位置からずれた状態をいいます。

すべり症の症状

腰椎がずれることで神経が通る脊柱管が狭くなり、腰痛や臀部の痛み、下肢の痛み・しびれを引き起こします。

すべり症の典型的な症状としては、間欠性跛行があります。歩行中に臀部、太もも、ふくらはぎなどに痛みやしびれが出て、歩きにくくなります。少し休むと、再び歩けるようになります。

腰椎が滑って神経根が圧迫される場合は、坐骨神経痛(臀部から足先までの痛み)や足関節背屈障害(足関節の背屈制限はつま先を上に持ち上げる可動域が狭くなってしまう状態)などの症状も生じます。

すべり症の方が送るべき日常生活

腰椎すべり症と診断されたら、日常生活では症状を悪化させないことが第一です。

すべり症の方が意識した方がよいこと

◎正しい姿勢

立っている時、座わっている時、歩行時も正しい姿勢を心得ましょう。背筋を伸ばし、骨盤をやや前傾させると、楽になります。

◎クッションの活用

椅子に座るときは腰と背もたれの間にクッションを挟むと良いです。

寝るときは膝の下にクッションを入れると症状軽減ができます。

◎適度な運動

ウォーキング、水泳は腰への負担が少ないため、おすすめです。

また、ストレッチは、腰への負担を軽減して、すべり症の痛みを和らげます。重要なのは、正しいストレッチをすることです。誤ったストレッチをしてしまうと、腰への負担が大きくなり、悪化させる恐れがあります。

◎栄養・体重管理

体重が増えると、すべり症がしやすくなります。また、無理な食事制限による体重減少も骨が変形しやすく滑りやすくなります。

すべり症にならない、悪化させないためにはバランスの取れた食事(タンパク質、カルシウム、ビタミンD)をとるのが大切です。

◎ストレス管理

十分な休息をとり、ストレス管理も腰の健康にとても重要です。

すべり症の方がやってはいけないこと

×腰を反らす・ひねる動作

腰を曲げたり、ひねったりする動作は負担が大きいため避けた方がよいです。

ストレッチや運動を行う際も、腰を反らしたりひねったりするような動きに要注意です。

×長時間の同じ姿勢

デスクワークなどで座りっぱなしを避けましょう。

1時間に1回は立って、軽いストレッチを行うことをおすすめです。

×重い荷物を持つ

重いものを持ち上げたり、持ち続けたりするのは腰に負担がかかる動作の一つです。すべり症でこのような動作をすると、骨や関節の変形が進んでいき、症状が悪化してしまいます。

×激しい運動

すべり症で脊柱が不安定な状態でスポーツ等を続けていけば、変性がさらに進んでいき、痛みやしびれが悪化してしまいます。

腰に衝撃やねじれが加わるスポーツ(例えばサッカー、バスケットボール、テニスなど)は控えた方がよいです。

×うつ伏せの寝方

うつ伏せで寝る場合は、腰が反ってしまいますので、すべり症の方は避けた方がよいです。

当院の治療

すべり症は自然治癒しにくいため、日常生活での習慣改善が再発予防につながります。

また、適切な治療を受けることも大事です。

セルゲル法

最近の研究では椎間板変性がすべり症を引き起こす要因とされております。※1

そのため、変性してしまった椎間板を修復しなければすべりの予防ができないと考えています。当院では、椎間板の変性が原因であるすべり症に対してセルゲル法を行っています。

当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。

セルゲル法は、従来の手術と違い、切開をしない治療ですので、術後のリスクも少ないです。

※1 参照元:I. Akkawi, H. Zmerly. Degenerative Spondylolisthesis: A Narrative Review. Acta Biomedica, vol. 92, No.6, 2021.

フローレンス法・Qフローレンス法

フローレンス法とQフローレンス法は、リスクの少ない低侵襲治療です。

部分麻酔と鎮静下で経皮的にデバイスを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。

デバイスを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛みが解消されます。

すべり症と診断されたことのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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