椎間板ヘルニアに続き、最も多い脊椎疾患とは、脊柱管狭窄症です。
今回は、脊柱管狭窄症に起因する足のしびれを緩和できるストレッチやマッサージについて解説します。
脊柱管狭窄症とその症状
背骨の中にある神経の通り道(=脊柱管)が狭くなった状態は、脊柱管狭窄症といいます。
脊柱管狭窄症の主な症状は、腰痛、下肢のしびれやだるさ、臀部の痛みとしびれなどです。
特徴的な症状としては、間欠性跛行があります。間欠性跛行とは、歩くときは足に痛みやしびれを感じて歩けなくなり、少し休むと楽になりまた歩けるが、しばらくすると再び痛くなる、という状態です。間欠性跛行になったら、200~300メートル歩いただけでも症状が出てしまい、歩くのが困難になります。
下肢のしびれを和らげるストレッチやマッサージ
脊柱管狭窄症のストレッチやマッサージの目的は、下肢の筋肉の凝りをほぐし、しびれを緩和させることです。
足指のストレッチ
立ったり歩いたりする時、重心が前に偏っていると、指を曲げる筋肉に力が入り続けて筋肉が硬くなります。指を曲げる筋肉が硬くなると、足底や足先の痺れや冷えの原因になる場合があります。
1.足の指と指の間に手の指を挟み、もう片方の手で足の裏が動かないように支える
2.足の指の間に挟んだ手で足の指を反らすように反復して動かす
足の指を反らす時に足の裏を動かさないように固定している手で足の裏を指圧するとより効果的です。
片膝立ちストレッチ
太ももの前の筋肉である腸腰筋が硬くなると腰が反る姿勢になりやすいため、柔軟性を保つことが大切です。
1.壁などを支えにして片膝立ちになる
2.膝をつけている方の足を後ろに少し引く
3.前方の足の膝を曲げて、膝をついている方の太ももの前をストレッチする
腰を反ったり、上半身が前かがみにならないように注意しながら行いましょう。
太もものストレッチ
1.仰向けで寝た状態から足の裏をベッドなどから浮かさないように、膝を曲げる
2.足の裏を浮かせて股関節を90度程度曲げて、膝裏に手を回して足を持つ
3.踵で天井を触るようなイメージで足首を手前に反しながら、膝を伸ばす
4.少し痛いところまで伸ばしたら、ゆっくりと膝を曲げる
※3と4を繰り返し行ってください。
このストレッチはタオルを使用してもできます。やりやすい方でやっていただけます。
・片方の足の裏にタオルをひっかけて、踵を天井に近づけるようなイメージで膝を伸ばす
当院の治療
当院は、脊柱管狭窄症に対してフローレンス法とセルゲル法を行っております。
フローレンス法
フローレンス法は、脊柱管狭窄症に対して行える、リスクの少ない低侵襲治療です。
部分麻酔と鎮静下で経皮的にスペーサーを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。治療後は取り外しなども可能です。
Lobsterスペーサーを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛みが解消されます。
保存治療で改善せず、脊椎固定術等の全身麻酔で行われる外科的手術を避けたい患者様にお勧めしています。
セルゲル法
脊柱管狭窄症は、椎間板がひび割れることで中心成分が飛び出し、その飛び出した部分が脊柱管を狭くすることで起こります。椎間板のひび割れは修復できていなければ、再度ヘルニアが発生したり、再度脊柱管が狭くなったりしてしまう可能性があります。
当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。
脊柱管狭窄症と診断されたことのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。