脊柱管狭窄症は脊柱管が狭くなった状態で、腰痛や下肢痛などの症状が出現する疾患です。
今回は腰部脊柱管狭窄症について詳しく解説します。
脊柱管とは
脊柱管は背骨の中にある神経の通り道で、背骨が連なってできたトンネル状の構造をしています。ここは脳から続く脊髄神経が通っており、腰部では馬尾神経や馬尾神経から枝分かれする神経根が収まっています。
正常の脊柱管ですと、MRI画像にて白く写る髄液と黒い点々の馬尾神経が見えます。
脊柱管狭窄症とは
神経の通り道である脊柱管が狭くなった状態は、脊柱管狭窄症といいます。脊柱管狭窄症が狭くなると中を走る神経が圧迫されます。
狭窄した状態はMRI画像で黒く見えて、髄液や馬尾神経が見えなくなります。
脊柱管狭窄症の症状
脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されると、腰や下肢の痛み、しびれ、脱力などの症状が発生します。右側だけに症状がある場合は右側の神経根が圧迫され、左側に症状がある場合は左側の神経根が圧迫されているのです。体の両側に症状がある場合は、馬尾神経が圧迫されていると言えます。
脊柱管狭窄症の典型的な症状で、間欠性跛行があります。
間欠性跛行とは、歩いている内に下肢がしびれたり力が入らなくなったりして、歩けなくなるが、しゃがみこんだり腰かけたりして少し休むとまた歩けるようになることです。
狭窄症が進行すればするほど、歩ける距離が短くなります。
脊柱管狭窄症の状態で前屈すると、肥厚した狭くなった肥厚している靭帯が伸ばされて脊柱管が少し広がるため、症状が和らいできます。
当院の治療
当院は、脊柱管狭窄症に対してフローレンス法とセルゲル法を行っております。
いずれも低侵襲で身体の負担が少ない施術です。脊椎固定術等の全身麻酔で行われる外科的手術を避けたい患者様にお勧めしています。
フローレンス法
フローレンス法は、脊柱管狭窄症に対して行える、リスクの少ない低侵襲治療です。
部分麻酔と鎮静下で経皮的にスペーサーを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。治療後は取り外しなども可能です。
Lobsterスペーサーを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛みが解消されます。
セルゲル法
脊柱管狭窄症は、椎間板がひび割れることで中心成分が飛び出し、その飛び出した部分が脊柱管を狭くすることで起こります。椎間板のひび割れは修復できていなければ、再度ヘルニアが発生したり、再度脊柱管が狭くなったりしてしまう可能性があります。
当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。
脊柱管狭窄症と診断されたことのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。