脊柱管狭窄症は背骨の中にある神経の通り道(=脊柱管)が狭くなった状態です。
脊柱管が狭くなると、神経が圧迫され、腰から下肢まで痛みやしびれが発生しますが、人によっては症状が出る場所が違ったりします。
今回は、脊柱管狭窄症の症状について解説します。
脊柱管狭窄症の症状
脊柱管が狭くなり、神経が圧迫されることで、腰の痛み、下肢の痛みやしびれ、臀部の痛みやしびれ、異常感覚などが発生します。
腰部脊柱管狭窄症の特徴的な症状の一つは、間欠性跛行です。歩くときは足に痛みやしびれを感じて歩けなくなり、少し休むと楽になりまた歩けるが、しばらくすると再び痛くなる、という状態です。間欠性跛行になったら、100~500メートル歩くだけでも困難になります。
脊柱管狭窄症が進行すればするほど、排尿・排便障害も現れることがあります。
なぜ痛みの場所が人によって違うのか?
脊柱管狭窄症は、神経が圧迫される部位により、痛みやしびれなどの症状が出る部位が違ってきます。
L1~L5の間が圧迫されている場合は、腰に痛みが出現します。
L3/L4に神経圧迫がある場合は、大腿四頭筋の筋力低下となり、下腿内側に症状が発生します。L4/L5の場合は下腿外側から母趾まで症状が出て、L5/S1の場合は小趾~足底外側に症状が出ます。仙骨(S1~S5)あたりに脊柱管が狭くなると、臀部、下肢の後ろ側や陰部に症状が現れます。
このようにして、狭くなっている箇所、圧迫されている神経によって、出現する症状が違ってきます。
狭窄症で神経が圧迫される最も多い場所は、①第4腰椎(L4)と第5腰椎(L5)の間、②第5腰椎(L5)と仙椎(S1~S5)の間、③第3腰椎(L3)と第4腰椎(L4)の間も、脊柱管が狭くなることが多いです。
当院の治療
当院は、脊柱管狭窄症に対してフローレンス法・Qフローレンス法とセルゲル法を行っております。
いずれも低侵襲で身体の負担が少ない施術です。脊椎固定術等の全身麻酔で行われる外科的手術を避けたい患者様にお勧めしています。
フローレンス法・Qフローレンス法
フローレンス法とQフローレンス法は、脊柱管狭窄症に対して行える、リスクの少ない低侵襲治療です。
部分麻酔と鎮静下で経皮的にデバイスを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。
デバイスを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛みが解消されます。
セルゲル法
脊柱管狭窄症は、椎間板がひび割れることで中心成分が飛び出し、その飛び出した部分が脊柱管を狭くすることで起こります。椎間板のひび割れは修復できていなければ、再度ヘルニアが発生したり、再度脊柱管が狭くなったりしてしまう可能性があります。
当院のセルゲル法では、椎間板のひび割れ部分を埋める薬剤を注射し、それがゲル状になってひび割れを補綴するため、根本的な治療を行うことができます。椎間板のボリュームが減少することがなく、治療後に薬剤がゲル状のインプラントとして椎間板に残りますので、椎間板が温存されることが特徴です。
脊柱管狭窄症と診断されたことのある方は、一度当院での診察を受けることをご検討ください。