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脊柱管狭窄症の手術とその後のケア:成功率とリハビリの重要性

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脊柱管狭窄症は、椎間板ヘルニアと共に、最も多い脊椎疾患です。

脊柱管狭窄症は腰痛だけでなく、下肢の痛みとしびれの症状、間欠性跛行(歩いていると臀部や足に痛みが発生して、休むと楽となるが、また歩くと再び痛くなる)もあり、日常生活に支障が出てしまいます。

今回は脊柱管狭窄症の手術とその後のリハビリに関して解説します。

脊柱管狭窄症の外科的手術

腰部脊柱管狭窄症の治療としてはブロック注射によって対処される場合もありますが、多くの場合は外科的手術が行われます。

脊柱管狭窄症の手術は、腰椎椎弓切除術と脊椎固定術が一般的です。

腰椎椎弓切除術は全身麻酔にて、内視鏡を使用して行われ、背部の皮膚を切開し、椎弓の一部や肥厚した黄色靭帯を切除することにより神経の圧迫を取り除き、脊柱管を広げます。

脊椎固定術は全身麻酔にて、背部の皮膚を切開し、変性した椎間板を取り除いて、腰骨から採取した骨を詰めたケージを入れて、脊椎をスクリューとロッドで椎骨を固定します。腰椎椎弓切除術の後に行われる場合もあります。

脊柱管狭窄症に対して一度手術をしたら、その後に脊柱管が再び狭くなり、症状が再発することも少なくありません。その場合は高い割合(10%~23%)で再手術が必要とされます(*1)。

また、併存疾患があると、術後の合併症の発生率が高くなり、回復期間も長くなります。特に、高齢の患者は併存疾患の発生率が高く、60~73.9%と言われています。(*2)。

中には、糖尿病、呼吸困難、慢性閉塞性肺疾患、慢性疾患に伴いステロイド剤の服用は、術後の合併症のリスクを高めています(*3)。

*1 参照元:Atlas SJ, et al. Long-term outcomes of surgical and nonsurgical management of lumbar spine stenosis: 8 to 10 year results from the maine lumbar spine study. Spine, 2005, 30(8). Kim CH, et al. Reoperation rate after surgery for lumbar spinal stenosis without spondylolisthesis: a nationwide cohort study. Spine Journal, 2013, vol.13-10.

*2 参照元:Khalepa R.V., Klimov V.S. Lumbar spinal stenosis in elderly and senile patients: problem state and features of surgical treatment. Russian journal of neurosurgery. 2017;(1).

*3 参照元:Deyo, R. A., Hickam, D., Duckart, J. P., Piedra, M. Complications After Surgery for Lumbar Stenosis in a Veteran Population. Spine. 2013;38(19).

低侵襲施術—フローレンス法・Qフローレンス法

脊柱管狭窄症に対してはフローレンス法・Qフローレンス法も行われています。

フローレンス法とQフローレンス法は、脊柱管狭窄症に対して行える、リスクの少ない低侵襲治療です。

部分麻酔と鎮静下で経皮的にデバイスを挿入して、狭くなった脊柱管を広げます。

デバイスを入れることで脊柱の回旋や屈曲を維持しながら、椎体の安定化を図り、脊柱管を広げて、椎間板の突出を抑えて黄色靭帯肥厚を軽減できます。狭くなっていた脊柱管が広がることにより、痛みが解消されます。

フローレンス法・Qフローレンス法は、低侵襲でリスクの少ない治療であるため、治療後の合併症や症状の再発に関する報告がありません。

脊柱管狭窄症の手術・施術後のリハビリ

外科的手術後も、低侵襲施術後も、リハビリがとても重要です。

ここでは、当院の脊柱狭窄症治療後におすすめのリハビリをご紹介します。このような運動を習慣的に行えることで、腰痛などの症状を軽減でき、全体的な治療の有効率を高めます。

治療翌日から行ってよい運動

〇体幹を安定させる運動①

立っている時や歩いている時に腰を安定させることができていないと、椎間板や周辺の組織にストレスを与え、症状が出やすくなります。この運動は、動作をしている時に腰を安定させるために行います。

1.両膝を立てて、上向きで寝る

2.お腹を凹ませて、お尻の穴を軽く締めながら、背中を床に引っ付けてください

3.背中が床から離れないように、ゆっくりと腕をバンザイする

※戻す時も背中が床から離れないように気を付けてください

〇体幹を安定させる運動②

1.両膝を立てて、上向きで寝る

2.両膝の間でボールやタオルを挟んでください

3.お腹を凹ませて、お尻の穴を軽く締め、内ももに力を入れてボールを押さえつけてください

4.この状態で、ゆっくりと腕を上に突き出してでください

※腕を突き出すときは、頭で床を押したり、背中が床から離れたりしないように気を付けてください

治療1ヶ月後から行える運動

〇背骨を動かす運動

背骨を動かすためには、様々な筋肉が絶妙なバランスで働きます。腰痛などの痛みが生じると、これらの筋肉の動かし方を忘れてしまい、誤った筋肉の使い方をするので姿勢が悪くなったり、誤った体の動かし方になったりします。この運動をすることで背骨をコントロールする筋肉を働かし、動かし方の再学習をすることができます。

1.スタート位置は四つ這い姿勢(真ん中の画像)。

※肘が突っ張り過ぎないように気を付けてください

2.手で床を押さないように気を付け、おへそを天井に近づけるイメージで背中をゆっくりと丸めてください

3.軽くおへそを凹ませ、腰が反らないように気を付けながら、おへそを床に近づけるようなイメージで反らしてください。

※この時は顔を正面に向けるようにして動かすとより効果的です

4.これらの動きをゆっくり繰り返し行ってください

〇背骨を安定させる運動&股関節の可動性を高めるための運動

腰痛などの痛みがあると、体幹の筋力低下が生じます。体幹の筋肉は身体を支えたり、動かしたりするのに非常に重要となるので、トレーニングにより筋力を戻すことが必要となります。

体幹の筋肉は様々なシチュエーションで働きます。この運動では骨盤や体幹を安定させた状態で股関節を動かすことで、効果的な体幹トレーニングになります。

1.背中が丸くなったり、反ったりしないように四つ這い姿勢となる

2.姿勢を保ったままゆっくりとお尻を後ろへ引いてください

この時に骨盤が動いたり、腰が丸くなったりならないように気を付けてください

3.背中が丸くなったり、骨盤が動いたりする手前でお尻を引くのを止めて、スタートポジションに戻る

※この一連の動きをゆっくりと行ってください

〇背骨(胸椎)の可動性を高める運動

胸椎と呼ばれる部分の背骨の動きが悪くなると、身体が丸くなり、背中の筋肉や椎間板に負担が加わり腰痛の要因となると言われています。この部分をしっかり動かすことができると、腰への負担を軽減させることができます。

1.股関節と膝関節を90度に曲げて、横向きで寝る

2.上になっている方の手を肩に当ててください

3.ゆっくりと上半身を後ろにひねって、背骨の関節を動かしてください

4.ひねったり、戻したりをゆっくり繰り返し行ってください

当院は「腰痛特化型リハビリ」も実施しており、様々な腰痛、幅広い年齢層の腰痛に対応できます。

脊柱管狭窄症でお悩みのある方は、是非一度当院での診察を受けることをご検討ください。

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